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<スズケンDIアワー> 平成16年4月22日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(6)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon薬価基準の全面改正における概要

 次に4月1日から実施された薬価基準の全面改正の概要についてお話します。薬価基準は原則2年ごとに全面見直しが行われます。薬価は保険から支払われる金額の基準となる価格ですが、それが固定されるために実際の取引価格とは乖離(かいり)が生じます。その乖離が著しいものについて、その実勢価に合わせる形で薬価を改めるのが薬価の全面改正です。

(資料2:「薬価調査の概要」(1)〜薬価本調査〜)

 実際の取引価格は薬価調査によって把握します。今回の薬価改正のための薬価調査(薬価本調査)は、昨年9月取引分について10月に調査を行いました。調査は販売サイドとして全卸売業者約2900社と、購入サイドとして全国の病院、診療所、薬局から抽出した約3300機関の協力で行われました。薬価基準収載全品目を対象としていますので、薬価基準には一般名で収載されているものも含めて約18000品目が調査対象となりました。

(資料3:「薬価調査の概要」(2)〜経時変動調査〜)

 薬価調査は1回だけですと、その信頼性に問題が生じるおそれもあるので、通常は薬価本調査をはさむような形で何回か調査が行われます。ひとつは、ほぼ全卸売業者の協力で行われる自計調査と呼ばれるもので、全品目について6月取引分と11月取引分の合計を調査しました。もうひとつは、サンドウィッチ調査と呼ばれ、8月取引分と10月取引分が調査されました。
 個々の品目の薬価は、2月13日の中医協において了解された「薬価算定の基準」に基づき、市場実勢価格加重平均値調整幅方式により算定されました。具体的には、薬価調査の結果からその品目の税抜き市場実勢価格を求め、これを保険医療機関や保険薬局における薬価算定あたりの平均的購入価格とし、これに消費税を加えて、さらに調整幅を加えて新しい薬価としています。調整幅とは薬剤流通の安定のためのものとされており、改定前の薬価の2%を加えることとされました。

(資料4:「薬価算定方式」)

 この市場実勢価格加重平均値調整幅方式による改定に加えて、後発品のある先発品の薬価改定、再算定による改定、低薬価品にかかる改定も行われ、全体で4.2%、医療費ベースで0.9%の引き下げとなっています。

(資料5:「改定率」)

 このうち後発品のある先発品の薬価改定は、前回平成14年の改定に引き続いて行われたもので、後発品が収載されて最初の薬価改定に該当する先発品の薬価算定においては、市場実勢価格加重平均値調整幅方式による算定値から、昭和42年10月1日以降昭和55年9月30日までに収載された既収載品では4%、昭和55年10月1日以降に収載された既収載品であって、平成9年度薬価改定において当時の算定方式における一定価格幅が8%とされたもの、または平成10年度薬価改定において一定価格幅が2%とされたものは5%、これら以外の既収載品は6%引き下げられました。ただし、一般名で収載されている日本薬局方医薬品、生物学的製剤、漢方製剤、生薬、オーファンドラッグなどは除外されています。また、引き下げの結果、後発品の薬価よりも低くなってしまうものも除外されています。今回はさらに、前回は対象外とされた日本薬局方収載医薬品のうち銘柄ごとに薬価収載されているものについても対象とされました。ただし、引き下げ率はそれぞれの区分のパーセントの1/2にされています。


提供 : 株式会社スズケン


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