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<スズケンDIアワー> 平成16年4月22日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(6)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon薬価の再算定について

 次に再算定についてですが、薬価算定の基準では、ひとつには市場が拡大したことによる再算定があります。これには薬価収載された際、原価計算方式により薬価算定された既収載品と原価計算方式以外の方式により薬価算定されたものであって、薬価収載後に使用方法の変化、適用対象患者の変化、その他の変化により使用実態が著しく変化した既収載品が対象となります。これらのうち、薬価基準に収載後10年が経過した後の最初の薬価改定を経験していないもので、年間の販売額が150億円を超えていて、かつ薬価基準に収載された時点で製薬企業から示された予想年間販売額、または効能追加の場合は効能追加の承認を受けた直前の薬価改定時の年間販売額の2倍以上となったものが再算定の対象となります。
 再算定の二つ目は効能が追加され、追加された効能に関する類似薬が異なる場合です。この場合は基準となる薬価が異なりますので、新たな効能における類似薬の薬価のほうが低い場合に限り、これを加味して再算定が行われます。再算定の三つ目は、用法・用量が変更された結果1日最大投与量が増えた場合で、1日薬価を類似薬と合わせる原則から、薬価の再算定が行われます。そのほか、保険医療上の必要性が高いにもかかわらず、薬価が著しく低額であるため、製造業者等が供給を続けることが困難である既収載品についても再算定が行われます。この場合の再算定は当然引き上げになります。今回の改訂では、臭化カリウム他30成分、35品目について不採算品目再算定による引き上げが行われました。

icon低薬価品への特別措置

 次に低薬価品については、薬価算定の基準上で特別の取り扱いが行われます。まず、薬価改定の際、一般的な算定方式で額を算定したところ、先発品の20%以下となった場合です。この場合は、該当するすべての後発品の加重平均値を求め、これに改定前の薬価の加重平均値の2%を加えて、これらの後発品の統一の薬価とします。この場合、それぞれの製品は銘柄名では収載されず、一般名での収載となります。今回の改訂ではフマル酸ビソプロロール等10成分、57品目がこの対象となりました。また、逆に薬価調査の結果、これまで低薬価品として扱われていたものの中に、低薬価品に該当しなくなったものもありました。ジアゼパム等129成分、1063品目がこれにあたり、これらは再び銘柄名での収載になりました。
 低薬価品にかかるもう一つの特別措置は最低薬価の規定です。それぞれの剤形ごとに最低薬価が決められていて、薬価算定の結果、この価格を下回ってしまった場合は最低薬価がその製品の薬価となります。最低薬価は、例えば錠剤やカプセルでは、日本薬局方収載品は9.70円、日本薬局方収載品以外では6.40円。注射剤では、日本薬局方収載品は97円、日本薬局方収載品以外では64円となっています。

icon薬価改正の結果

 薬価改訂が行われた結果、新たな薬価基準には内用薬6646品目、注射薬3316品目、外用薬1996品目、歯科用薬剤35品目の計11993品目が収載されることになりました。
 ところで、主な薬効群の改定率を見ると、内用薬ではビタミンA及びD剤の引き下げが最も大きく8.7%、次いで高脂血症用剤が8.6%、以下合成抗菌剤8.0%、その他のアレルギー用剤7.1%、不整脈用剤6.1%と続いています。一方、注射薬では他に分類されない代謝性医薬品が7.3%、X線造影剤が5.5%、主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの5.3%がワースト3でした。
 また算定区分では、引き下げられたものが9645品目、引き上げられたものが不採算再算定品目を含めて39品目、据え置かれたものが2309品目でした。薬価の全面改正は3月9日に告示され、4月1日から実施されました。

(資料6:「薬価基準収載品目集」)


提供 : 株式会社スズケン


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