→ 番組表はこちら
→ ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成16年5月13日放送内容より スズケン

オクトレオチド
徐放性製剤


神戸大学内分泌代謝・神経・血液腫瘍内科 教授
千原 和夫

icon臨床試験成績について

 本邦でも、最近日本人の先端巨大症・下垂体性巨人症を対象とした臨床試験と、消化管ホルモン産生腫瘍患者を対象とした臨床試験が実施されました。

(資料4:「国内PhaseI/II試験・長期試験 対象・方法」)

 先端巨大症・下垂体性巨人症に対する臨床試験では、オクトレオチド注射液の皮下注射によって有効性および忍容性が確認されている、本症患者22名にご参加いただき、オクトレオチド徐放性製剤を4週毎に、通算14回以上、筋肉内注射させていただきました。

(資料5:「国内PhaseI/II試験・長期試験 血清成長ホルモン(GH)濃度」)

 その結果、徐放性製剤投与中の血中GH値は、オクトレオチド頻回皮下注射時とほぼ同程度に抑制されていました。
 また、平均血中GH値が2.5ng/ml未満に抑制された割合も、オクトレオチド徐放性製剤投与中とオクトレオチド頻回皮下注射時は、ほぼ同じでした。

(資料7:「国内PhaseI/II試験・長期試験 血清IGF-沐Z度の正常化率」)

 さらに、血中インスリン様成長因子(IGF-1)値の正常化率も、オクトレオチド頻回皮下注射時とほぼ同程度でした。
 臨床症状の改善に関しても、オクトレオチド注射液とオクトレオチド徐放性製剤は、ほぼ同程度の効果を示しました。副作用の主なものは、注射部位硬結が22.7%、注射部位の疼痛と血中ブドウ糖増加がそれぞれ18.2%、そのほか胆石症、胆管拡張、腎嚢胞などが報告されました。
 消化管ホルモン産生腫瘍に関する国内臨床試験では、オクトレオチド注射液の皮下注射により有効性および忍容性が確認されている、消化管ホルモン産生腫瘍患者2例を対象とし、オクトレオチド徐放性製剤を4週毎に筋肉内注射しました。その結果、オクトレオチド徐放性製剤投与時のカルチノイド腫瘍に伴う臨床症状は、オクトレオチド注射液を皮下注射した時とほぼ同程度に維持されました。副作用は、総症例2例に対し注射部位硬結および胆石症が1例ずつ認められました。
 海外で、110名の先端巨大症・下垂体性巨人症患者に対して行われたオクトレオチド徐放性製剤第II相試験では、オクトレオチド徐放性製剤投与時、血清IGF-1濃度は59.3%で正常化したと報告されています。また、128名の患者で行われた第III相試験では、69.5%の患者で、血中GHが治療目標とされる2.5ng/ml未満に抑制され、血中IGF-1値は66.4%の患者で正常化したと報告されています。海外の臨床試験での副作用は、患者の65.9%に認められ、主なものは下痢、腹痛、鼓腸、注射部位疼痛、胆石症と報告されました。
 以上のように、オクトレオチド徐放性製剤による治療は、国内外における臨床試験において、従来の皮下投与のオクトレオチド注射液による治療とほぼ同等の有効性、臨床効果および忍容性が確認されています。オクトレオチド徐放性製剤は、4週に1回の筋肉内投与によって、先端巨大症・下垂体性巨人症、および消化管ホルモン産生腫瘍に伴うホルモン異常や臨床症状を改善することができる薬剤で、従来のオクトレオチド頻回皮下注射による患者の身体的苦痛を軽減させ、その結果として患者のQOLの向上が期待されます。


提供 : 株式会社スズケン


前項へ 1 2 3