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<スズケンDIアワー> 平成16年5月20日放送内容より スズケン

チアマゾールによる無顆粒球症


日本医科大学 名誉教授
野村 武夫

icon感染症対策と今後の課題

 被疑薬の中止とあわせて大切なのは、感染症対策です。チアマゾールの場合もそうですが、原因医薬品の如何を問わず、無顆粒球症に陥ると感染抵抗が著しく低下しており、感染症を併発すれば、強力な抗菌療法が必要です。そこで、血液、尿、喀痰、咽頭擦過物などを採取して、起炎菌同定と薬剤感受性の検査に回します。しかし、検査結果を待っていたのでは手後れになってしまいますので、直ちに抗生物質製剤や化学療法剤の投与を開始します。何を選ぶかは医療施設ごと、あるいは時代によっても異なります。そして細菌学的検査の結果が出れば、それを参照して使用中の抗菌剤を適宜変更いたします。
 無顆粒球症は感染症の併発がきっかけで診断されるのが普通ですが、今回のチアマゾールの添付文章の改定にあるように定期的に検査を繰り返すことによって、感染症併発以前に無顆粒球症と診断された場合、抗生剤を予防的に投与するべきか否かという問題が生じます。またもうひとつの問題ですが、顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)によって無顆粒球症の回復は促進されるはずですが、果たしてそれがどの程度、無顆粒球症の治療に有効か、これも今後の検討課題として残されています。


提供 : 株式会社スズケン


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