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<スズケンDIアワー> 平成16年5月27日放送内容より スズケン

てんかん焦点部位診断薬−イオマゼニル


国立病院機構 静岡てんかん神経医療センター第二脳神経外科
松田 一己

iconイオマゼニルの検査成績

 私どもはこれまでに55例のてんかん外科手術例に対し、術前にイオマゼニルSPECTを施行し、てんかん焦点の同定能を検討しました。その結果、海馬硬化を有した内側型側頭葉てんかん19例中15例に、一方、皮質形成異常においては19例中17例に、さらにDNTの5例および脳血管腫を含むその他の病変4例では全例に、病変を含むてんかん原生焦点に対応する集積低下が得られ、発作間欠期の脳血流SPECTと比較しても検出能は優位でした。この内、MRI異常を認めなかった例についてみますと、イオマゼニルSPECTで6割、脳血流SPECTで3割、両者のいずれかで7割にてんかん焦点と関連した異常が検出されました。

(資料16:「MRIで異常を認めず、イオマゼニルSPECTのみに検出された例」)

 中でもMRIで検出困難な皮質形成異常例を高率に検出しえたことは、潜在的なてんかん原生病変として多数存在するとされる本病変に起因したてんかん焦点の検出能の向上に多大に寄与するものと考えられます。
 自験例以外にも、最近、多施設共同の研究で行ったMRI異常のない難治部分てんかん41例の検討で、イオマゼニルSPECTは脳血流SPECTに比べ高いsensitivityとaccuracyを示すことが明らかとなり、より普遍性の高い評価が得られました。
 このように、てんかん焦点の検出に有用である本検査法は、てんかん外科の術前検査の中で、将来、中核的存在になるものと思われますが、本検査法でも検出しえない病変の存在、解像度や定量性の問題、服薬しているベンゾジアゼピン系の薬剤の影響などの課題も残されており、今後症例を重ねるにつれ改善されていくことと考えます。現在、わが国におけるSPECT装置の稼働台数は約2000台にのぼり世界一の普及率を示しますが、日常診療において従来の脳血流SPECTと同様に神経受容体イメージの検査ができることは意義深く、その用途は今後一層の広がりを示すものと考えます。


提供 : 株式会社スズケン


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