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<スズケンDIアワー> 平成16年6月3日放送内容より スズケン

話題の新薬2004−(1)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 この番組では、新しく薬価収載された数多くの新薬の中から特に注目される品目について、解説いたしております。今回は2004年度第1回の「話題の新薬」情報をご紹介いたします。

iconα2作動性鎮静剤『塩酸デクスメデトミジン』

 まず、最初はα2作動性の鎮静剤『塩酸デクスメデトミジン』についてお話いたします。

(資料1:「塩酸デクスメデトミジンの構造式」を挿入)

 この薬の主成分である塩酸デクスメデトミジンは、イミダゾール骨格を有し、1986年強力且つ選択性の高い中枢性α2−アドレナリン受容体作動性の鎮静薬として開発されました。しかし、鎮静作用のほか、痛みや不安の抑制、ストレスによる交感神経亢進を緩和することによる循環動態の安定化作用など、幅広い薬理作用を呈しております。また、本薬の投与によって自然に近い睡眠を得られること、さらに本薬投与で充分な鎮静が得られている場合でも必要に応じて意識レベルを回復させる事ができ、しかも不安や苦痛のない状態を維持できる等、といった特徴を持っております。この薬は1999年米国において承認、ついで現在世界41カ国で承認され、わが国においても2004年1月に承認されました。
 効能・効果は、集中治療下で管理し、早期抜管が可能な患者における人工呼吸中および抜管後の鎮静作用であります。用法・用量は、この薬は室温保存が可能な水溶性製剤でありますが、通常成人には1時間あたり6μg/kgの速度で、10分間静脈内に持続注入し、続いて患者の病態に合わせて、至適鎮静レベルが得られるよう、維持量として0.2〜0.7μg/kgの範囲で持続注入いたします。なお、本薬の投与は24時間を超えないようにいたします。使用に際しての警告・禁忌といたしましては、本薬の使用によって低血圧、高血圧、徐脈、心室細動等が現れ、心停止に至る恐れもありますので、本薬は患者の循環動態、呼吸等の全身状態を注意深く継続的に監視できる設備を有し、緊急時に充分な処置が可能な施設で、しかも本剤の薬理作用を正しく理解し、集中治療における患者管理に熟練した医師のみが使用することとなっております。心血管障害のある患者、心機能・循環血流量の低下した患者、肝・腎機能障害のある患者、高齢者等では、慎重に投与する必要があります。また、併用注意薬としては、ベンゾジアゼピン系の薬剤、全身麻酔剤、局所麻酔剤、中枢神経系抑制剤等があります。副作用は45.4%に見られ、その主なものは低血圧(21%)のほか高血圧、嘔気、徐脈、口内乾燥等であります。特に重大な副作用としては、低血圧、高血圧、徐脈、心室細動、心停止、低酸素症等が挙げられております。


提供 : 株式会社スズケン


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