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<スズケンDIアワー> 平成16年6月17日放送内容より スズケン

勃起不全治療薬バルデナフィル


東邦大学泌尿器科 講師
永尾 光一

icon塩酸バルデナフィルの作用機序

 レビトラはED治療のために開発された薬剤です。その特徴のひとつとして、ホスホジエステラーゼ(PDE)の5型を選択的に強く阻害する「塩酸バルデナフィル」を有効成分としています。

(資料2:「レビトラの一般名と構造式」)

 陰茎海綿体の弛緩は、平滑筋細胞内のサイクリックGMP濃度の増加によってもたらされます。サイクリックGMPは、性的刺激を受けて海綿体神経末端や海綿体内皮細胞などから遊離される一酸化窒素(NO)によって活性化されるグアニル酸シクラーゼにより合成されます。一方でサイクリックGMPは、PDE5型による加水分解を受けており、細胞内サイクリックGMP濃度がグアニル酸シクラーゼによる合成速度とPDEによる加水分解速度とのバランスにより調節されています。

(資料3:「レビトラの作用機序」)

 PDEのアイソザイムは、現在1型から11型まで知られていますが、ヒト陰茎海綿体に最も多く存在するのが5型であり、このPDE5型を選択的に阻害することでサイクリックGMPの加水分解速度を減弱し、サイクリックGMPの細胞内濃度を増加させると勃起を誘発することができます。
 しかし、PDEは全身に存在し、この種の薬剤では他のPDEアイソザイムに対してもいくらかの阻害作用を示すため、時には血管平滑筋に対する弛緩作用が心血管系への影響として強く発現したり、網膜光受容体に存在するPDE6型に対する阻害作用による視覚異常を来す可能性があります。
 レビトラは当初からED治療を目的に、PDE5型に対する阻害作用が最も強く発揮される化合物として選ばれました。すなわち、PDE5型に対する阻害作用を1C50値で検討した場合において、本剤は強い阻害作用を持ち、またPDE5型に選択的に阻害するため、他のPDEアイソザイムに対する阻害作用から懸念される、心血管系や視覚に関する異常等の副作用の発現リスクが下がることが予測されます。


提供 : 株式会社スズケン



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