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<スズケンDIアワー> 平成16年7月1日放送内容より スズケン

レフルノミドによる間質性肺炎


日本医科大学第四内科 教授
工藤 翔二

iconレフルノミドの特徴と患者への対応

 さて、レフルノミドの肺障害に話を戻しましょう。確かに、レフルノミドによる間質性肺炎を起こした患者には、もともとリウマチ肺と呼ばれる間質性肺炎のあるものや、あるいはメトトレキサートなど、他のリウマチ薬で薬剤性肺障害、乾生咳嗽といったものを起こした経験がある方、さらに気管支拡張症などの感染症のある方がみられております。しかし、まだ市販後の全例調査の結果は出ておりませんので、間質性肺炎を起こさなかった人と比較することによって初めて知ることのできる、発生に関する危険因子や予後因子は、正確には明らかではありません。にもかかわらず、現時点では厚生労働省の指示のように、こうした患者への投与は避けるべきだと考えられます。一般に、こうした患者での薬剤性肺障害や感染症の増悪の頻度が高いからであります。

(資料6:「関節リウマチの肺疾患」)

 レフルノミドの投与が対象となる患者には、2つの問題点がございます。第1に、関節リウマチの患者さんにはもともとリウマチ肺と言われる間質性病変を持っている方が多いことです。胸部X線写真では3〜4%ぐらいの方にしか認められませんが、CTを撮りますと30〜40%のリウマチの患者にこうした間質性病変を認める、と言われております。第2に、すでにこれらの患者はステロイドや免疫抑制薬を使っている方が多く、しかもレフルノミド自体がリンパ球の増殖を抑える作用がございますので、ニューモシスティス・カリニ肺炎サイトメガロウイルス肺炎などを起こしやすいことです。これらの感染症は、間質性肺炎にたいへん類似したびまん性の肺陰影を呈します。この2つは、薬剤による肺障害の早期の診断を難しくしております。
 そのため、ぜひ先生方に行っていただきたいのは、レフルノミドの投与前に胸部X線写真はもちろんですが、CT、できれば高分解能CT(HRCT)、これを撮影してリウマチ肺があるかどうかを確認していただくということです。投与前にすでに間質性病変があれば、投与による増悪の危険性を避けることができますし、また薬剤投与後のCTに異常陰影がみられた場合にも、新たに発生したものかどうかを正確に判断することができます。


提供 : 株式会社スズケン



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