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<スズケンDIアワー> 平成16年7月22日放送内容より スズケン

薬価算定根拠について(7)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明いたします。

iconオルメテック錠の薬価算定

 初めは、オルメテック錠です。成分名はオルメサルタン メドキソミルで、三共の製品です。

(資料1:「オメルサルタンメドキソミル」)

 オルメサルタン メドキソミルは、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有し、高血圧症を効能・効果としています。アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有する薬剤としては国内5番目の薬剤であることから、新規性の乏しい新医薬品として類似薬効比較方式2による算定が行われ、過去6年間に収載された類似薬の内最も薬価が低いノバルティスファーマのバルサルタンの製剤であるディオバン錠との1日薬価あわせとされました。しかし、外国平均価格の4分の3を下回ったために外国価格調整による引き上げが行われ、結果としてディオバン錠よりも高い薬価となりました。なお、ディオバン錠には80mgの1規格しかないのに対し、オルメテック錠には、10mgと20mgの二つの規格があるため、汎用される規格である20mg製剤の価格をディオバン錠を基に算定した後、10mg製剤の価格については、同じ薬理作用のカンデサルタン・シレキセチルの製剤ブロプレス錠の規格間比を用いて算定されました。

iconグルファスト錠と規格間比による算定

 次は、グルファスト錠です。成分名はミチグリニドカルシウム水和物で、キッセイ薬品工業の製品です。

(資料2:「ミチグリニド」)

 ミチグリニドカルシウム水和物は膵β細胞刺激によるインスリン分泌促進作用を有し、短時間即効型に分類され、2型糖尿病における食後血糖推移の改善を適用とします。効能効果、薬理作用等が同一のナデグリニドの製剤である山之内製薬のスターシス錠及び味の素のファスティック錠を比較対照薬に類似薬効比較方式1で算定されました。なお、スターシス錠等には90mgと30mgの、またグルファスト錠には、5mgと10mgの二つの規格があるため、汎用される規格である本剤10mg製剤とスターシス錠等の90mg製剤の一日薬価を一致させた後、5mg製剤の価格については、スターシス錠等の規格間比を用いて算定されています。

iconエビスタ錠と類似薬効方式算定

 次は、エビスタ錠です。成分名は塩酸ラロキシフェンで、日本イーライリリーの製品です。

(資料3:「塩酸ラロキシン」)

 塩酸ラロキシフェンは、エストロゲンアゴニスト作用を介した骨吸収抑制作用を有し、閉経後骨粗鬆症を適用とします。効能効果、薬理作用等が類似のアレンドロン酸ナトリウム水和物の製剤である萬有製薬のフォサマック錠及び帝人のボナロン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式1で算定されました。しかしその価格が外国平均価格の4分の3を下回ったため、引上げが行われました。

iconプレセデックス静注液の薬価算定

 次は、プレセデックス静注液です。成分名は塩酸デクスメデトミジンで、アボット・ジャパンと丸石製薬がそれぞれ販売しています。

(資料4:「塩酸デクスメデトミジン」)

 塩酸デクスメデトミジンは、中枢性α2受容体刺激作用を有し、「集中治療下で管理し、早期抜管が可能な患者での人工呼吸中及び抜管後における鎮静」を適用とします。効能効果、投与形態・剤形等が同一のアストラゼネカのプロポフォールの製剤であるディプリバン注を比較対照薬に類似薬効比較方式1で算定されました。しかしその価格が外国平均価格の4分の3を下回ったため、引上げが行われました。


提供 : 株式会社スズケン


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