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<スズケンDIアワー> 平成16年8月5日放送内容より スズケン

第7回日本医薬品情報学会


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon一般演題について

 次に学術大会における口頭発表について報告します。

(資料3:「一般演題I」)

 一般演題Iでは、「添付文書情報I」として、4題の発表が行われました。「添付文書」を医療従事者への情報提供資料として見た場合、用語や表現の不統一の問題、さらには情報そのものの不完全さ等が以前から指摘されています。今回の発表においても現状の「添付文書」の抱える問題点についてさまざまな角度から報告されました。日本医薬品情報学会としても、問題の指摘と同時に、医療従事者への情報提供資料としての「添付文書」の本来あるべき姿を考えていく必要があります。

(資料4:「一般演題II」)

 平成9年に添付文書の記載様式が変更され、更に添付文書が電子化データとして、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(旧 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構)の医薬品医療機器情報提供ホームページから提供されるようになり、添付文書情報がより身近な存在となっています。インターネットを使える環境があれば、いつでもどこでも最新の添付文書情報が閲覧できる環境が整ったことは大きな進歩です。このような背景を反映して、一般演題IIでは、「添付文書情報II」として、添付文書情報について大きく2つの切り口から発表がありました。一つは添付文書の記載内容についてであり、副作用用語等の統一、臨床に応用する際の問題提起、添付文書情報を補完することが可能な情報量を持っているインタビューフォームの電子ファイル化による有効活用に関する発表でした。もう一つは、電子化データとしての切り口で、添付文書に記載されている副作用用語と医薬関連文献に記載されている副作用用語の比較および電子化データを更に使いやすくした活用事例についての発表でした。

(資料5:「一般演題III」)

 一般演題III「データベース」では、「添付文書情報」のセッション同様、「標準化」がキーポイントでありました。データベースにかかわらず、医薬品の情報を電子化するに当たり、名称、用語等の標準化は必須であり、厚生労働省のグランドデザインにも挙げられています。医薬品のコード化、MedDRA/J等の副作用用語統一等、厚生労働省の研究事業として行われているものも見られます。薬剤実務に関わる「標準化」は充分であるとは言い難いものもあります。そこで、日本医薬品情報学会において薬剤実務に関わる「標準化」のうち、特に添付文書の電子化の一端を担う用語データベースの作成、患者向け情報提供文書の標準化とメンテナンス体制のシステム化等を、学会ベースで行うことが必要であると思われました。また、全ての演題に共通することとして、データベースの作成後、その評価と改善が充分とはいえない印象を受けました。

(資料6:「一般演題IV」)

 一般演題IV「安全性に関する情報」では、大学院生2名、病院薬剤師1名、地域薬局薬剤師2名から5つの演題発表がありました。安全性を確保するためには、それぞれの立場で知恵を絞っていかなければならないこと。また、その根底には確立された医薬品情報が必要であり、それを利用できるシステムの環境、そして安全性を確保するという意識が必要です。本セッションでの発表は正にそれぞれに現場での経験や実践を基にした発表であり、医薬品情報の提供方法やその活用法、システム環境への提案、そして安全性を意識した業務についてでした。

(資料7:「一般演題V」)

 一般演題V「教育に関する情報」は、全6演題であり、その内容は、大学教育が4演題、大学院教育が1演題、そして企業の教育が1演題でした。大学教育に関しては、学生や教員のみならず、実務実習側の3者からの発表がありました。フロアには朝早くから、学生、大学教員、それに臨床現場に関わる多くの参加者が集まり、活発な討議からも、医薬品の安全使用に向けた薬剤師や医薬品卸売業者のQuality Controlのために教育が着目されていることが感じられました。

(資料8:「一般演題VI」)

 一般演題VI「薬物療法」では、医薬品を適正使用する上で、医薬品情報を整理し、日常の業務に反映させることは薬剤師の職務の一つであること。しかしながら、医薬品の情報量は膨大であり、その活用方法に頭を悩ませる事は少なくありません。医療の質向上が叫ばれている現在、医薬品情報をいかに使いこなし、医療現場に還元していくかはまさに薬剤師の腕の見せ所といえます。本セッションでは、特に医療現場における医薬品情報の活用について薬物療法を中心に議論されました。


提供 : 株式会社スズケン



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