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<スズケンDIアワー> 平成16年9月9日放送内容より スズケン

医薬品評価の性差について


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon臨床薬理学から見た医薬品の性差

 本日は、臨床薬理学よりみた医薬品の性差という題で、お話をさせていただきます。性という言葉には、英語ではsexとgenderという二つの言葉がございますが、sexという場合には生物学的な意味でありますし、genderという時には社会的な意味に用いるものでございます。
 臨床薬理学は薬物動態学、薬力学、薬剤疫学という三本立てでございますので、この内容について多少触れてみたいと思います。医薬品を使用する際に男性と女性で同じ用量でいいのか、あるいはサジ加減と申しますけれども、多少用法・用量などに差があるのか、それから外国で性差があるとハッキリ聞かれている医薬品につきまして、日本で開発する場合に女性から臨床試験を始めてよろしいのかどうか、といった問題もございます。もしも性差があるとすれば、その原因にはどう言うものが知られているか、というようなことについても触れてみたいと思っています。当然内因性の問題としましてはホルモンの環境が男性と女性では違うわけでありますし、体脂肪の量と分布につきましても違いがあるということはよく知られておりますが、外因性の飲酒によるアルコールの量でありますとか、あるいは喫煙の量、あるいは経口避妊薬を使われる、といったような外因性の考慮も必要であります。
 それで本日はハッキリと薬物動態(血中濃度など)、薬力学、その作用で性差の知られている医薬品の名前をいくつか挙げてみたいと思います。

icon性の違いとは

 それで、性というものを簡単に考えてみたいと思うのでありますけれども、男性の性染色体はXYでありますし、女性の性染色体はXXでありまして、それが減数分裂をいたしまして胚子となりますけれども、不分離が起こりますと、その受精によりまして受精卵の異常としては、例えばXXYというXが一つ余計に入っている男性クラインフェルター症候群と、女性の方では本来XXであるものが、Xが一個しか入っていない、これはターナー症候群と呼ばれます。もともと原始の性腺というのは一つでありますけれども、その髄質部分が発達いたしますと精巣になり、皮質部分が発達いたしますと卵巣になるわけでありまして、それから先、その内部の刺激物質の差によりまして、性腺・精管などの男性女性化が起こりますが、男性の仮性の半陰陽とか、女性の仮性の半陰陽という疾患も知られております。


提供 : 株式会社スズケン

      

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