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<スズケンDIアワー> 平成16年9月9日放送内容より スズケン

医薬品評価の性差について


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon薬物動態から見た性差

 そう言ったことで実際には性というものは、ある程度混在していると考えてよろしいかと思います。そこで薬物動態でハッキリと性差があると知られている事例を二品目挙げてみたいと思います。

(資料3:「偏頭痛治療薬薬物動態の性差」)

 これは偏頭痛の治療薬でございますけれども、女性と男性では、例えばAUCというものが女性では94に対しまして、男性は43と非常に低い、血中の最高濃度も7に対しまして男性の方が4と、非常に大きな差がある医薬品が知られておりますが、これはその医薬品の代謝酵素がCYP1A2という代謝酵素であるということを、先に述べておきます。

(資料4:「MethylprednisolonePK性差」)

 それと逆の例として、Methylprednisolone グルココルチコイドでありますけれども、これでは女性が非常に血中の半減期というものが短く、男性の方は長い、例えば半減期が女性では1.7時間に対しまして、男性では2.6時間と、これの代謝酵素はCYP3A4であります。
 このように血中濃度だけを見ますと、医薬品の中にはその濃度が男性と女性でかなり大きな差がある医薬品が知られております。そこで、米国FDAに提出されました生物学的同等性試験の中からハッキリと医薬品の性差があると、記載されております医薬品についてお話します。女性の方が高いもの(血中濃度AUCが高いもの)が多いと、一言でいえると思いますが、例えばAUCにつきまして11品目中10品目は女性が大である。それから最高血中濃度は、17品目のうち15品目は女性が大である、ということがハッキリと書かれております。それから性差がないと書かれているものもありますけれども、その表現はいろいろであります。まず先にCmaxおよびAUCとも女性の方が大である、よく使われております医薬品の例として、cimetidineでありますとか、ibuprofenなど記載されておりますし、Cmaxのみ女性の方が高いという医薬品としては例えばketoprofenなどがあります。体重補正をしたとか、しないとか、いろいろな記載がありますけれども、その体重補正の方法が単に体重で補正しているのか、除脂肪体重で補正しているのか、あるいは体表面積で補正しているのかなど、一定の規則はないようであります。
 また性差がないという方の記載にも英語でありますけども、例えばappears similar(同じようにみえる)、does not differ significantly(有意な差はない)、had no significant effect on(効果の上で差はない)というような書き方がありまして、有意差がないということでありますと、どれくらいの症例で有意差検定をやったのか、というような問題も出てくるわけであります。


提供 : 株式会社スズケン



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