→ 番組表はこちら
→ ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成16年9月30日放送内容より スズケン

日本社会薬学会第23年会


北海道薬科大学社会薬学分野教授 年会長
早瀬 幸俊

icon社会薬学と薬剤師について

 つぎに、社会薬学を取り巻く環境についてお話したいと思います。これまで長い間、我が国の薬学教育では「くすり」という物質中心の教育が行われ、薬学教育に本来必要であった臨床教育がほとんど行われてこなかったため、「薬学の社会適応」としての学問・研究分野である「社会薬学」は、我が国の薬学教育の中ではあまり重要な学問領域としては認識されませんでした。このため各薬科大学や大学・薬学部(以下、薬科大学と略しますが)、これらには社会薬学分野の研究室、例えば社会薬学研究室や薬事管理学研究室などを設置する薬科大学が非常に少なく、このことは良く知られた事実であります。
  一方、薬剤師を取り巻く医療環境を見ますと、医薬分業が進展し、分業率が全国平均で50%を超えた今日、先ほど述べましたように、「くすり」という物質中心の薬学教育が医療人としての薬剤師の資質の低下を招いている、という点で社会的に問題になって参りました。このため薬学部は、薬剤師資質の向上を目指して2006年の入学者から6年制になることが決ったわけですが、この新たな薬学教育の構築には、「薬学の社会適応としての学問・研究分野である社会薬学」を薬学生に教授することが大変に重要かつ必要であると考えております。つまり薬学6年制においては、社会薬学分野の教員や研究室を確保すること無しに、真の薬学教育は成立し得ないということであります。しかしながら、社会薬学分野を担当できる教員の数はまだまだ少なく、日本社会薬学会の活動が社会薬学分野を担当する新たな教員・研究者の育成の場として、また多くの薬剤師の資質向上の場として、これまで以上に活用していただければ幸いと考えております。


提供 : 株式会社スズケン



前項へ 1 2 3 次項へ