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<スズケンDIアワー> 平成16年10月14日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群 クッシング症候群・インスリン自己免疫症候群


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon内分泌代謝関連の症候群について

 本日は、医薬品添付文書の副作用項目の中に記載のあります症候群、その中から特にインスリン自己免疫症候群、それからクッシング症候群という、内分泌代謝関連の2件をお話ししたいと思います。
 そこで、第一番目のインスリン自己免疫症候群の記載のある医薬品は、ナルカゾール、チアマゾールでありますが、これは甲状腺機能亢進症の治療によく使われているものであります。もう1品目は、チオラ、チオプロニンでございますが、これは効能としましては代謝改善、解毒などとされております。この両品目はSH基を含有しておりますけれども、SH含有製剤でインスリン自己免疫症候群があるという記載は、岡先生がすでに文献で記載されておりますが、(例えばペニシラミンやグルタチオン)、今回その添付文書を再検討してみましたが、そこにはインスリン自己免疫症候群という記載はありませんでした。
 本症候群の定義は、過去にインスリン治療を行ったことがないにもかかわらず、内因性のインスリンに対する自己抗体が血中に多量に存在して、その抗体から遊離してインスリンが血中に出てまいりますと低血糖症状を起こす症候群であります。そこで、低血糖の原因となりうる医薬品ということで整理してみますと、糖尿病の治療薬インスリン製剤、経口糖尿病治療薬は、当然でありますけれども、特にこの経口糖尿病の治療薬でありますスルホニルウレア系の薬剤の薬物動態に影響するような薬剤群、例えば解熱鎮痛抗炎症薬などですが、これらは非常にたくさん知られております。さきほど2品目挙げました自己抗体産生医薬品というのはそういう意味では、非常に数の少ないものであります。

(資料4:「低血糖の臨床像」)

 一応、低血糖の臨床像というのを簡単に触れておきますけれども、低血糖になりますと、それに反応いたしまして交感神経の刺激、特にアドレナリンが副腎の髄質から分泌され、その作用により多くの症状というのは説明できるわけであります。例えばですが手が震えるとか、動悸がするなどであり、また、脳のエネルギーはブドウ糖のみに依存しておりますので、低血糖のために痙攣が起るとか、それがひどくなりますと昏睡になります。皮膚の所見としましては、発汗により湿潤する、それから腱反射などが亢進するという他覚所見がはっきりいたしております。血糖の調節機序はインスリンのみではなくて、逆に血糖を上昇させる、例えば、グルカゴンあるいはグルココルチコステロイドなどもありますので、その低下などによりましても低血糖というのは起りうるというものであります。また、患者側の条件として、他の疾患で何日も食事をしていなかったといったような時に真面目に糖尿病の治療薬などを飲んで、低血糖になってそのまま昏睡になられたというような例もあります。


提供 : 株式会社スズケン

      

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