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<スズケンDIアワー> 平成16年12月16日放送内容より スズケン

B型肝炎治療薬〜アデフォビルピボキシル〜


久留米大学第二内科 教授
佐田 通夫

iconB型肝炎治療の現況

 B型肝炎ウイルスの肝細胞内での増殖を強力に抑える経口の抗ウイルス薬としてラミブジンが登場し、B型慢性肝炎の自然経過や予後に治療の介入による改善効果を期待できるようになりました。即ちB型肝炎の終末像である肝硬変への進展を阻止すると共に肝予備能の改善や、肝不全や肝発癌に対する阻止効果、死亡率や長期予後の改善などが期待できる状況にまでなりました。また患者さんのQOLの改善にも多大な効果を、この薬剤はもたらしたと思います。
 しかし、ラミブジンによる治療に際しては解決しなければならない大きな問題点がありましたが、それは長期間の投与による耐性株の出現と、その後に生じる肝炎の増悪という問題です。このことが投与対象患者の選択や、治療中止時期の困難さなどとなって、ラミブジンによる治療のジレンマを我々に投げかけていたわけです。

icon新しいB型肝炎治療薬の登場

 今から説明するアデフォビルピボキシルはアデフォビルのプロドラッグで、B型肝炎ウイルスDNAポリメターゼの基質の取り込みを競合的に阻害し、また基質としてDNAに取り込まれることでB型肝炎ウイルスのDNA鎖の伸長を停止させてウイルスの増殖を抑制する作用をもっています。この薬物の特徴はB型肝炎ウイルスの野生株だけでなく、ラミブジン耐性株であるYMDD変異ウイルスに対しても有効であり、増殖抑制効果を発揮するということです。
 ラミブジン投与中に、ラミブジンに対する感受性が低下した変異ウイルスが出現して肝炎が増悪したB型慢性肝炎及びB型肝硬変患者の36例を対象にして、ラミブジン100mgにアデフォビルピボキシル10mgを16週間併用投与するオープン試験が、第III相臨床試験として本邦でも実施されました。B型肝炎ウイルス DNA,ALT値の有意な改善と共に安全性に関してはプラセボ群と同等であり、耐性ウイルスの出現率は低いことなどが確認されたことによって、保険承認がなされ、臨床の現場で使用できる状況になりました。このことによって、経口抗ウイルス薬を用いたB型慢性肝疾患の治療はさらに進展するものと思います。

    
提供 : 株式会社スズケン

      

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