→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成17年1月6日放送内容より スズケン

成長ホルモン分泌不全症治療薬−塩酸プラルモレリン


神戸大学大学院 内分泌代謝・神経・血液腫瘍内科教授
千原 和夫

iconはじめに

 本日は平成16年10月に製造承認を取得した塩酸プラルモレリンについて紹介致します。本剤は「成長ホルモン分泌不全症の診断薬」で、下垂体からの成長ホルモン分泌が正常に保たれているか否かを検査するための診断薬です。製品名は「注射用GHRP科研100」と命名されていますが、「GHRP」はgrowth hormone releasing peptideの頭文字を併せた略号で、和訳しますと「成長ホルモン放出ペプチド」となり、「成長ホルモン即ちGHを分泌させる作用を有するペプチド」という意味であります。

icon成長ホルモンの分泌調節機構

 それでは本薬についてお話しをする前に、まず成長ホルモン(以下GH)の分泌調節機構について簡単に説明します。

(資料1:「成長ホルモン分泌調節機構」)

 GHは、両眼の奥にあり、脳の下方に位置する、小指の先ほどの大きさの下垂体から分泌されます。下垂体は前葉と後葉に分かれ、前葉から6つ、後葉から2つのホルモンが作られますが、GHは下垂体前葉で産生・分泌されるホルモンのひとつです。GHの分泌調節には脳の一部で、食欲・体温・リズムなどの調節にも深く関与している視床下部が重要な働きをしています。
 GHの分泌は睡眠、運動、各種栄養素など様々な因子によって影響されますが、最終的には視床下部のニューロンで産生されるGH放出ホルモン(GHRH)とソマトスタチンの分泌パターンおよび分泌量によって調節されます。GHRHはGH分泌に促進的に、ソマトスタチンは抑制的に作用し、両者は視床下部ニューロンから下垂体門脈に放出された後、血流を経て下垂体前葉に運ばれ、GH産生細胞上に存在する、各々の特異的受容体に結合して作用します。
 今回、ご紹介するプラルモレリンを含めて GHRPは、主に視床下部を介して内因性のGHRH分泌を促進するとともに、下垂体前葉にも直接作用し、GH分泌を促進させる作用があることが明らかになっています。

    
提供 : 株式会社スズケン

      

1 2 3 次項へ