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<スズケンDIアワー> 平成17年1月20日放送内容より スズケン

話題の新薬2004(3)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 この番組では、新しく薬価収載された数多くの新薬の中から、特に注目される品目について解説いたしております。今回は2004年第3回目の「話題の新薬」情報をご紹介致します。

icon抗悪性腫瘍薬投与に伴う消化器症状改善薬 塩酸インジセトロン

 まず最初は、抗悪性腫瘍薬の投与に伴う消化器症状の改善薬である、塩酸インジセトロンについてお話します。

(資料1:「塩酸インジセトロンの構造式」)

 悪性腫瘍に対する化学療法による副作用として多発する悪心・嘔吐・下痢、食欲不振等の消化器症状の改善は、患者さんのQOLを維持するため不可欠であります。これらの諸症状は、セロトニン(5-HT)が一因となり、5-HT3受容体が関与していると想定されております。本薬の開発は、1993年に始まり、2004年1月に承認されました。
  効能・効果は、抗悪性腫瘍薬(シスプラチン等)の投与に伴う消化器症状、すなわち悪心・嘔吐の改善であります。用法・用量は、抗悪性腫瘍薬投与の30分〜2時間前に1回1錠(8mg)を1日1回経口投与いたします。第II、第III相試験では、完全嘔吐抑制率は85%とされております。なお、薬剤過敏症、重篤な肝疾患患者には、慎重に投与する必要があります。副作用は27%に見られ、主なものは、体温上昇、頭痛、下痢等、AST、ビルビリン、ALT上昇等であります。特に重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、癲癇様発作等があります。

icon 広範囲抗菌性点眼薬 ガチフロキサン水和物

 次に広範囲抗菌性点眼薬、ガチフロキサン水和物についてお話します。この薬は、日本で初めてのキノロン骨格の8位にメトキシ基を導入した“キノロン系抗菌薬”であります。

 (資料2:「ガチフロキサシン水和物の構造式」)

 キノロン骨格の1位にシクロピル基を、また、8位にメトキシ基を導入することによってグラム陰性菌に対する強い抗菌力に加えて、ブドウ球菌、連鎖球菌を初めとするグラム陽性菌や嫌気性菌に対する抗菌力が増強されます。さらに、8位にメトキシ基を持つことによって、細菌の標的酵素であるDNAジャイレースとポイソレメースIVの両酵素を強力に阻害し、標的酵素の変位による MIC 上昇が軽減されるという特徴も示します。効能・効果は、第一に本薬に感受性のあるブドウ球菌属、連鎖球菌属等、広範囲の眼科系感染症、すなわち眼瞼炎、麦粒腫、結膜炎、角膜炎等。第二に眼科周術期の無菌化療法であります。用法・用量は、眼科感染症に対しては、通常1回1滴、1日3回点眼し、症状によっては増減いたします。眼科周術期の無菌化療法に対しては、通常手術前は1回1滴、1日5回。手術後は1回1滴、1日3回点眼いたします。禁忌は、本薬の成分またはキノロン系抗菌薬に過敏症の人。副作用は、7%に見られ、刺激感、痒感、霧視等であります。特に重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状があります。


提供 : 株式会社スズケン

      

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