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<スズケンDIアワー> 平成17年1月27日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(9)


日本大学薬学部薬事管理学教授
白神 誠

icon バリキサ錠の有用性加算(II)による薬価算定

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。
 初めは、バリキサ錠です。成分名は、バルガンシクロビル塩酸塩で田辺製薬の製品です。

(資料1:「バルガンシクロビル」)

 バルガンシクロビル塩酸塩は、DNAの合成阻害作用を有し、「エイズ患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎の治療」を効能効果とします。バルガンシクロビルは、類似の効能を有するガンシクロビルのバリンエステルでもあることから、ガンシクロビルの製剤である同じ田辺製薬のデノシンカプセルを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。従来この適応に対しては、注射剤を用いて初期治療が行われていましたが、本剤により経口投与による治療が可能となったこと、また、維持療法における服用回数・個数においては、ガンシクロビルのカプセルが1日3回計12カプセルと非常に多かったのに対し、本剤は、1日1回計2錠に減少し、多種類の薬を服用するエイズ患者のコンプライアンスの向上につながることから、対象疾病の治療方法の改善が示されているものと判断され、有用性加算(II)に該当するとされました。
 本剤は、HIV感染症関連の治療薬であることから、薬価基準に緊急に収載する必要があり、昨2004年10月27日の中医協総会で審議され、11月19日に薬価基準に収載されました。

icon へプセラ錠の類似薬効比較方式(I)による薬価算定

 次は、ヘプセラ錠です。成分名は、アデホビルピボキシルで、グラクソ・スミスクラインの製品です。

(資料2:「アデホビルビボキシル」)

 アデホビルピボキシルは、「B型慢性肝炎ウイルスの増殖を伴うB型慢性肝炎及びB型肝硬変におけるウイルスマーカー及び肝機能の改善」を目的にラミブジンを投与中の患者に、併用して用いる薬剤です。効能効果、薬理作用等が類似することから、ラミブジンが対照薬に選定され、類似薬効比較方式(I)で算定されました。しかしその価格が外国平均価格の4分の3を下回ったため、引上げが行われました。なお、対照薬に選定されたラミブジンは、同じグラクソ・スミスクラインの製品で、販売名はゼフィックス錠です。

icon ゾメタ注射液と有用性加算(II)

 次は、ゾメタ注射液です。成分名はゾレドロン酸水和物で、日本チバガイギーの開発です。

(資料3:「ゾレドロンサン水和物」)

 ゾレドロン酸水和物は、破骨細胞活性抑制作用を有し、「悪性腫瘍による高カルシウム血症」を効能効果とします。効能効果、薬理作用、組成・化学構造、投与形態が同一の、パミドロン酸二ナトリウムの製剤である同じ日本チバガイギーのアレディア注を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。二重盲検比較試験において対照薬であるパミドロン酸二ナトリウムに対して高い有効性を示しており、再発までの期間も延長することから有用性加算(II)に該当すると判断されました。さらにその価格が外国平均価格の4分の3を下回ったため、引上げが行われました。


提供 : 株式会社スズケン

      

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