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<スズケンDIアワー> 平成17年2月10日放送内容より スズケン

小児用抗ヒスタミン薬〜塩酸エピナスチン


用賀アレルギークリニック院長
永倉 俊和

icon 抗ヒスタミン薬の中枢への影響

 一方、塩酸エピナスチンの中枢への影響については、PETを使って調べた試験が報告されています。

(資料8:「アレジオンの低い脳内移行性」)

 それによると小児アレルギー性疾患で用いられるクロールフェニラミン、ケトチフェン、オキサトミドなどは脳内H1受容体占拠率が高く、脳内への移行率が高いことが示されました。これに対し塩酸エピナスチンの脳内H1受容体占拠率は10%以下で、小児用の抗ヒスタミン薬としては脳内への移行が最も少ない薬剤といえます。
 一方、抗ヒスタミン薬が数字入力作業に及ぼす影響を、健康成人において二重盲検で検討した試験ではキーボードによる連続数字入力作業における正答数が、クロールフェニラミン群でプラセボに比べ有意に低下しましたが、塩酸エピナスチン群ではプラセボと有意差がみられませんでした。
 このように塩酸エピナスチンは脳内への移行が少なく、中枢への影響が他の抗ヒスタミン薬より少ないことから、小児のアレルギー疾患の治療においても、中枢性の副作用の発現が低いことが期待されます。

icon 塩酸エピナスチンドライシロップの基本情報

 塩酸エピナスチンドライシロップの基本情報を紹介しますと、まず禁忌は本剤による過敏症の既往歴のある患者です。効能・効果はアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患たとえば湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症などに伴うそう痒です。用法・容量はアレルギー性鼻炎ではドライシロップとして体重あたり0.025〜0.05gを蕁麻疹、皮膚疾患に伴う掻痒については体重あたり0.05gを、いずれも1日1回経口投与します。患者さんの症状に合わせ、朝でも夜でも投与できます。いずれも体重・年齢区分による標準投与量が設定されており、簡便に投与することができます。主な副作用は眠気で3%弱の発現率です。相互作用は特に報告されていません。
 小児において久々の抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー薬の登場です。塩酸エピナスチンのドライシロップは、従来の抗ヒスタミン薬がもっていた問題点を解決できる可能性があり、このような選択肢が新たに増えたということは、小児アレルギー性疾患の治療において、とても意義のあることといえるでしょう。


提供 : 株式会社スズケン

      

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