→ 番組表はこちら
→ ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成17年2月24日放送内容より スズケン

フェノフィブラート微粉化製剤


中谷内科クリニック 院長
中谷 矩章

icon フェノフィブラート製剤使用の留意点

 フェノフィブラートの有害事象で、最も問題となるのがAST、ALT、γ-GTPの上昇です。開発時の成績では、GOTの上昇が19.1%、GPTの上昇が20.0%、γ-GTPの上昇が17.4%の頻度で認められております。しかし、これらのすべてが肝障害の出現を意味しているわけではありません。
 フェノフィブラートは、核内受容体のPPARαに対してリガンドとして働き、遺伝子の転写活性を介して、アポ蛋白A-I、A-IIの合成亢進、リポ蛋白リパーゼ(LPL)の合成亢進、脂肪酸のβ酸化促進、アポ蛋白C-IIIの合成抑制をもたらすことがわかっておりますが、同様のメカニズムによってAST、ALT、γ-GTPの合成亢進をもたらすこともわかっております。したがって、AST、ALTの上昇は、軽度かつ一過性のことが多く、投与を継続しても次第に低下してくることがほとんどです。開発時の成績においても、このことが示されております。海外では、AST、ALTの上昇が正常上限の3倍を超えるまでは肝障害ととらないというのが一般的な考え方になっておりますので、わが国においても肝機能が異常になったからすぐやめるというのではなく、正常上限の3倍以内の上昇を認めた場合は薬剤を中止せずに、注意して肝機能の推移を観察して頂きたいと思います。この点に関しても、容量が従来の2/3になった微粉化製剤は、好ましい結果をもたらすのではないかと思われます。
 もう一つの問題は、CKの上昇であります。開発時の成績ではCKの上昇が8.5%に認められており、フィブラートによるミオパシーの発生が内外から報告されております。横紋筋融解症の報告もあります。したがって、スタチンとの併用はできるだけ避けるべきでありますし、腎機能障害例では両者の併用は禁忌となっております。ミオパシー、横紋筋融解症は、早期に発見して薬剤を中止すれば元に戻りますので、早期発見に努めなければなりません。そのためには、筋肉痛、脱力などの筋肉症状に絶えず注意するとともに、定期的にCKを測定する必要があります。そして、筋肉症状とともにCKの上昇を認めた時は、CK値が正常上限の3倍を超えたところで薬剤を中止し、筋肉症状を伴わない場合は、CK値が正常上限の10倍を超えたところで薬剤を中止するようにします。また、CKの上昇が正常上限の5倍を超えたところでミオグロビンの測定を行うことをお勧めします。そして、ミオグロビン値の上昇を認めた場合は、横紋筋融解症と考えて薬剤投与を中止します。このような注意を守って頂ければ、フェノフィブラートを安全に御使用頂けるものと思います。
 フェノフィブラートは、メタポリックシンドロームに対しては最適の薬剤であると考えられますので、正しい知識をもって、積極的に使って頂きたいと思います。微粉化製剤の発売が、その契機となることを期待しております。


提供 : 株式会社スズケン

      

前項へ 1 2 3