→ 番組表はこちら
→ ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成17年3月17日放送内容より スズケン

話題の新薬2004(4)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon 抗ウイルス薬「アデホビルピボキシル」

 この番組では、新しく薬価収載された数多くの新薬の中から特に注目される品目について、解説致しております。今回は2004年度第4回目の「話題の新薬」情報をご紹介致します。
 まず、最初は、抗ウイルス薬アデホビルピボキシルについてお話しいたします。
 この薬は1986年にClercqらによって発見された核酸誘導体の抗ウイルス薬であります。

(資料1:「アデホビルピボキシル」の構造式)

 HBV、HIV等のレトロウイルス、ヘルペスウイルス等に強い抗ウイルス活性を示しますが、バイオアベイラビリティが低いという欠点があり、1992年にStarrettらによって、これにピボキシル基が導入され、バイオアベイラビリティの高い本薬が合成された次第であります。はじめはHIV感染症に対する治験が開始されましたが、よい成績が得られなかったので、HBV感染症に対する治験が始まり、米国では2002年9月に、欧州では2003年に認可され、現在39カ国で承認されております。我が国では2004年の10月に承認されました。
 効能・効果は、ラミブジンの投与中にB型肝炎ウイルスの持続的な再増殖を伴う肝機能の悪化が確認されたB型慢性肝炎およびB型肝硬変において、ラミブジンとの併用によるウイルスマーカー及び肝機能の改善です。ただし、本薬の単独投与での国内における有効性と安全性は確認されておりません。用法・用量は、通常、1回10mgを1日1回経口投与し、ラミブジン1回100mgを1日1回経口投与と併用いたします。
 警告として、この薬の投与中止後、ウイルスの再増殖に伴って肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化の認められる場合があります。そのため、本薬の投与を終了する場合には、投与終了後少なくとも4ヵ月間は原則として2週間毎に患者の臨床症状と臨床検査値を観察し、その後も観察を続けることとされております。特に免疫応答の強い患者あるいは非代償性の肝疾患では投与終了後に肝炎が重症化することがあり、投与終了後の経過観察をより慎重に行う必要があります。このような患者さんでは本薬の投与終了が困難となって、長期にわたる加療が必要となる場合もあります。
 本薬の成分に対し過敏症の既往のある方は禁忌であり、腎機能障害のある患者、非代償性肝硬変症患者さんには慎重に投与する必要があります。併用注意薬としては、イブプロフェン、尿細管分泌により排泄される薬剤などがあります。副作用は、11%にみられ、背部痛などであります。
 重大な副作用としては、腎機能障害、乳酸アシドージス、脂肪沈着による重度の肝腫大などがみられることがあります。


提供 : 株式会社スズケン

      

1 2 3 次項へ