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<スズケンDIアワー> 平成17年3月24日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群〜手根管症候群と手足症候群


帝京大学名誉教授
清水 直容

icon 手根管症候群と手足症候群

 この番組で今まで取り上げられていなかった、医薬品の添付文書の副作用中に記載のある症候群、これは非常にたくさんありまして、28症候群もあります。

(資料1:「医薬品添付文書の副作用記載28症候群一覧」)

 過去2回に、インスリン自己免疫症候群とクッシング症候群を1回、それからファンコニー症候群を1回と、2回お話しました。今日は第3回目として、手根管症候群と手足症候群というものについて、お話したいと思います。
 手根管症候群と手足症候群というのは、もちろん違った症候群でありますけれども、それを起こします医薬品名はほとんどが重複しておりまして、本日はそのかなり類似している症状などについてもお話し致しますし、この両者をお話することによって、内容の理解もしていただけると思います。

icon 手根管症候群の副作用記載がある医薬品

 はじめは手根管症候群です。これは絞扼性の、正中神経のモノニューロパシー、単一神経炎、神経症というものです。手根管症候群が副作用として記載のある医薬品は5品目ございまして、カペシタビン、商品名は「ゼローダ」というものでありますし、それから商品名が「TS-1」という、テガフルト、ギメラシルト、オテラシルカリウムの3剤の合剤でありますがそれからドセタキセル、フルオロウラシール、この4品目はいずれも悪性腫瘍の治療薬であります。もう1品目、レボホリナートカルシウムという活性型の葉酸製剤、これにも手根管症候群が副作用の中に記載されております。

icon 手根管症候群とは

 手根管症候群というものの神経学的な、基礎的な理解を、述べさせていただきます。

(資料4:「手根管症候群:神経の基礎理解」)

 手首の付け根のところを手根管と言いまして、そこに横に走る靱帯があります。それが正中神経を圧迫することによりまして、掌の親指、人指し指、中指、その面積に、色々な異常感を訴えるものであります。もちろん親指の方は橈骨神経でありますし、小指の方は尺骨神経でありますけども、その両方が別々に圧迫されることはない訳であります。
 そこで手根管症候群(英語ではCarpal Tunnel Syndromeと呼ばれます)の、自覚症状は手の指で親指から人指し指、中指、その掌の側のしびれ感、夜間に痛みを訴えられることもあります。他覚的な徴候と致しましては、感覚の障害がありますけれども、長期になりますと拇指球の萎縮が起こってきたり、あるいはその運動障害が起こってきたりすることがあります。この確認のためには末梢神経の伝導速度を測定するということが大事です。その他に、Tinel徴候といいまして、先程の手根管部を圧迫する、あるいはハンマーで叩きますと痛みが指に放散するということで、他覚的にもこれを診断することができます。


提供 : 株式会社スズケン

      

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