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<スズケンDIアワー> 平成17年3月24日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群〜手根管症候群と手足症候群


帝京大学名誉教授
清水 直容

icon 手根管症候群の病像と鑑別診断

 今、申し上げましたように、手根管症候群というのは、手関節の手根管を通過する正中神経が圧迫され、掌の側の感覚障害を来たすもので、これは一側性のことも両側性のこともあります。

(資料6:「手根管症候群」)

 先程、感覚異状と申しましたが、いろいろな訴え方がありまして、掌の刺すような痛みであるとか、しびれる、しびれるというのは非常に内容的には複雑なものでして、感覚が鈍っているとか、ちょっと痛みが過敏になっているとか、あるいは言葉としてはピリピリ感とか、ビリビリ感とかいう方もあります。それから関節が痛むとか、また痛みとしては前腕と肩にもあることもあります。特に先程申しましたように、夜に訴える方が多い訳でありまして、Tinel徴候というのは手関節部をハンマーで叩くものですが、ファレン徴候というのは、掌を前腕の方に曲げますと、その痛みがはっきりするというようなテストであります。正確には伝導速度を測定するということも致しますけれども、これも指先を刺激して手首で記録する順行性の記録と、またその逆の逆行性の記録と2方法がありますが、これが確定診断には一番大事なものであります。
 その他、手を使うことの多い職業の方でありますとか、あるいは最近ではパソコンを非常に長くやっている人などにもその症候群が出やすいということになっております。
 特に治療は、医薬品の場合には止めればよい訳でありますけれども、それが止められない場合にはNSAIDを用いましたり、あるいは糖質ステロイドを用いたり、あるいは非常に重症の場合には手術して減圧するということもあります。
 また、手根管症候群の他の鑑別診断に、糖尿病、甲状腺機能低下症、それから成長ホルモンの過剰があります、先端肥大症や、エリテマトーデス、rheumatoid arthritis、リューマチの関節炎や、痛風でも似たようなことを訴えられる方があります。

(資料7「手根管症候群」〜臨床で・・・)

 一番手根管症候群として多いものは、慢性の血液透析を受けている腎不全の患者でありまして、これは手根管のところにβmicrogloburinという物質が、蓄積して圧迫するということがわかっておりますが、透析をしているにも関わらずその物質が、現在までなかなか濾過できなかったというようなこともありますが、多少その点は改善されてきております。
 その他によく知られている病気はアミロイドーシスというアミロイド、これは繊維性のタンパクですけれども、これが細胞外に沈着するものでありまして、原発性のものと続発性のもの、それから続発性の中には多発性骨髄腫、この場合にその手根管症候群を起こすということが知られております。
 以上が手根管症候群です。


提供 : 株式会社スズケン

      

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