帝京大学名誉教授
清水 直容
手足症候群の副作用記載のある医薬品
次いで、手足症候群、これは前述の手根管症候群とちょっと似ているような症候群でありますが、医薬品につきましては、先程挙げました5つの品目にいずれも書かれている訳であります。

特にカペシタビン(乳癌治療薬の「ゼローダ」)には、頻度が11.3%と書かれておりまして、これは手足症候群というものにとりましては、非常に大切な薬であります。Hand-foot syndromeと申しまして、その症候群の内容ですが、こちらはもちろん掌だけではなくて、足の裏、そこに湿疹のようなものができますし、潰瘍もできますし、水疱もできますし、痛みがあり、知覚が鈍磨している、それから痛みのある紅斑がある、それから腫れてくる、というようなものでありまして、掌の方の痛みと知覚の鈍磨というところが、先程の手根管症候群と類似の症状であります。そこまで詳しく書いてあるものは、カペシタビンとアイソボリン、先程申しましたが、その2つでして、他の3剤につきましてはただ症候群の名前が記載してあるだけであります。
手足症候群の鑑別診断
手足症候群のものは、鑑別診断としましては、リベド血管炎というのがまず挙げられております。これは難治性の皮膚潰瘍の中で局所循環障害をきたすもので、リベドといのは網の目という意味であります。その他、もう既に述べました膠原病でありますとか、循環器疾患、感染症、特に結核とか梅毒、それから悪性腫瘍、血管閉塞症なども知られておりますが、薬剤による血管壁の病変もあります。
以上で、今回の手根管症候群と、手足症候群の話を終わらせていただきます。
|