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<スズケンDIアワー> 平成17年4月28日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(10)


日本大学薬学部薬事管理学 教 授
白神 誠

icon クレストール錠の有用性加算(II)による薬価算定

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。
 はじめは、クレストール錠です。成分名はロスバスタチンカルシウムで、アストラゼネカの開発です。

(資料1:「ロバスタチンカルシウム」)

 ロスバスタチンカルシウムは、HMG-CoA還元酵素阻害作用を示し、高コレステロール血症及び家族性高コレステロール血症を適用とします。スタチン系の薬剤は本剤で6成分目となるので、本来なら類似薬効比較方式(II)で算定されるところですが、本剤では有用性加算(II)が認められたことから、類似薬効比較方式(I)で算定されました。比較対照薬はアトルバスタチンカルシウムの製剤である山之内製薬のリピトール錠でした。有用性加算は、本剤が二重盲検比較試験において比較対照薬に比して有意に優れたコレステロール低下作用を示したことを根拠に適用されました。さらにその価格が外国平均価格の4分の3を下回ったため、引き上げが行われました。
 この引き上げに関連して、中医協で厳しい議論が行われました。クレストール錠には、2.5mg、5mg、10mgの3規格がありますが、海外では5mgは米国のみで、10mgは米国と英国で発売されています。これまでも指摘されてきたことですが、一般に米国の価格は高く、英国の価格はそれに比べるとかなり低い状況にあります。その結果、外国平均価格が5mgよりも10mgのほうが安いという現象が生じました。算定ルールでは、複数の規格がある場合には、それぞれの規格での外国価格調整前後の変化率の相加平均を用いることになっています。今回は5mgの引き上げが大きく、全体の引き上げに貢献したことになります。海外価格調整のあり方については、これまでも中医協で様々な指摘があった経緯もあり、早急に外国平均価格調整のルール改正を検討するよう要請がありました。そこで、医療上の影響等も勘案して、10mg錠については収載が保留とされました。

icon アレジオンドライシロップ1%の類似薬効比較方式(I)による薬価算定

 次は、アレジオンドライシロップ1%です。成分名は塩酸エピナスチンで、日本べーリンガーインゲルハイムの製品です。

(資料2:「塩酸エピナスチン」)

 塩酸エピナスチンはケミカルメディエーター受容体拮抗作用(抗ヒスタミン作用)を有し、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹等を適用とした成人用の製剤が既に開発されています。本剤は、これをドライシロップとした子供用製剤で、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴う掻痒を適用とします。従って薬価算定は成人用の錠剤である同じ日本べーリンガー・インゲルハイムのアレジオン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。なお、今回のように錠剤の薬価をもとにシロップ剤の薬価を算定する場合には、類似製剤での剤形間の価格比を用いて選定します。ここでは、同じアレルギー用剤であるザジテンカプセルとザジテンドライシロップの剤形間比1.3267が用いられました。


提供 : 株式会社スズケン

      

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