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<スズケンDIアワー> 平成17年5月19日放送内容より スズケン

皮膚真菌症治療薬ルリコナゾール


帝京大学皮膚科 教授
渡辺 晋一

icon ルリコナゾールの薬物動態

 ルリコナゾールはイミダゾール系の抗真菌薬で、広い抗真菌スペクトルを有し、白癬ばかりでなく、カンジダや癜風菌にも強い抗菌活性を有しております。

(資料11:「ルリコナゾールの抗菌活性」)

 白癬の原因菌である皮膚糸状菌に対する抗真菌活性は、現在汎用されているテルビナフィンより1管以上低い値を示しており、またカンジダや癜風を引き起こす酵母に対しても、今のところ最も強い抗真菌活性を示すラノコナゾールよりも、強い抗真菌活性を有しています。そのため、モルモットを使用した足白癬の動物実験では、今までの抗真菌外用薬より優れた治療成績を示しました。つまりたった1週間ルリコナゾールを外用しただけで、足白癬は治癒し、その後の再発もありませんでした。それに対し、他の抗真菌外用薬では再発が認められました。

(資料12:「皮膚貯留性」)

 これはルリコナゾールが高い抗真菌活性を有しているだけではなく、他の薬剤より高い皮膚貯留性があるためです。実際白癬に対して、現在最も汎用されているテルビナフィンより、角層への薬剤貯留性が高いことが示されています。このような基礎的データから、ヒトの足白癬を対象としてルリコナゾールの治験が行われ、通常の治療期間の半分で、優れた治療効果があることが示されました。つまり通常の治療期間は足白癬で4週間、生毛部白癬で2週間ですが、ルリコナゾールはその半分の塗布期間、つまり足白癬では2週間、生毛部白癬では1週間で治療を行いました。その結果、ルリコナゾールでは治療中止後も臨床症状の改善が見られ、また真菌の陰性化率も上がり、ルリコナゾールは通常の塗布期間の半分でも、優れた臨床効果を示すことが確かめられました。

(資料13:「2週間塗布終了後の成績」)

 その後、我が国の治験で標準薬として使われているビホナゾールを対象薬とした第3相比較試験が行われ、ルリコナゾール2週間の外用とビホナゾール4週間の外用で同等性が証明されました。しかもビホナゾールとの第3相比較試験では、2週間後に直接鏡検で菌が陽性だった症例の検体を培養したところ、ルリコナゾールでは統計学的に優位に菌の陰性化が高いという結果が得られました。このことは、ルリコナゾールはたった2週間の外用で水虫を治すことができるということで、コンプライアンスが悪いという従来の抗真菌外用薬の欠点を克服するものであります。そのためこの薬剤は水虫の治癒率を高めるだけではなく、ひいては水虫の再発も軽減できると考えられます。さらにルリコナゾールはクリーム剤ばかりでなく、液剤もあり、患者の希望・用途に応じてその使い分けが可能です。勿論、ルリコナゾールは保険の適応には白癬ばかりでなく、カンジダ症、癜風にも適応が取れており、皮膚真菌症の99%以上に使用できるコンプライアンスの優れた抗真菌外用剤です。


提供 : 株式会社スズケン

      

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