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<スズケンDIアワー> 平成17年6月16日放送内容より スズケン

第53回 日本化学療法学会総会の話題


東京慈恵会医科大学内科 教授
柴 孝也

icon はじめに

 第 53回日本化学療法学会総会は5月26・27日(木、金)の両日東京水道橋の東京ドームホテルで開かれました。私が総会長を務めさせていただきましたが、二日間にわたり1500名を超す会員をはじめ、一部ICD講習会では会員以外の参加が900名に達する盛況ぶりで準備した者として大変嬉しく思っております。抗菌薬の開発停滞と共に、抗菌化学療法に大きくシフトしてきた化学療法も転換期を迎えております。また、最近見られる耐性菌の増加は、抗菌薬の適正使用を強く意識させ、現在では操薬の考え方がより重視されるようになってきております。こうした中、今回の総会では、広い意味で化学療法の適正化を目指して、多くの分野にスポットを当てながら「原点に立ち戻って、抗菌薬だけにとどまることのない、新たな化学療法学の方向性を見出したい」との視点から、大きなテーマとして「いま化学療法を考え直す」と掲げました。

(資料5)

icon 講演の話題

 学会の招請講演としては、David C Hooper先生に「Quinolones − Past, Present, and Future」と題してお話をいただきました。Hooper先生は、化学療法学の分野を世界的にリードされており、米国感染症学会の責任者を務めております。キノロンに焦点を当てて創薬から耐性菌防止まで、幅広いお話を伺うことが出来ました。もう一つの特別講演は、東京大学医科学研究所の中内啓光教授にお話をいただきました。「再生医療実現に向けての課題」と題しお話していただきましたが、再生医療は、化学療法学会としては余り馴染みのないテーマですが、これからの発展を考えると十分に聞く価値のある話題に感銘を与えていただきました。
 教育講演の一つは「β-ヘルペスウイルスの潜在感染と再活性化」と題して、東京慈恵会医科大学微生物学近藤一博教授が担当し、また教育講演2として「抗菌薬・抗腫瘍薬の治療デザイン」をテーマに北里大学薬学研究所の竹内先生から、抗菌薬の開発が難しくなる中で、どのように治療デザインを組み、コントロールを作成すれば良いのか等、興味深いお話を伺うことが出来ました。

icon 新薬シンポジウムの話題

 新薬シンポジウムとしては「 S-4661」を取り上げました。本邦でカルバペネム系薬は既に4剤が上市されておりますけれども、本「S-4661」は塩野義製薬研究所で新規に開発、合成された注射用のカルバペネム系薬のDoripenem:DRPM(ドリペネム)であります。カルバペネム系抗菌薬の特性である幅広い抗菌スペクトルに緑膿菌への優れた抗菌活性を加え、副作用をより少なくし、且つ腎デヒドロペプチターゼ-Iに対して安定化し、単剤として臨床使用できる製剤として創製されました。各領域の発表や基礎的な内容よりドリペネムは、単剤で緑膿菌への強い抗菌力及び中枢神経系への安全性を向上させたことにより、今後の重症感染症治療に有用な薬剤の一つになりえると考えられる事から、上市が待たれるものであります。


提供 : 株式会社スズケン

      

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