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<スズケンDIアワー> 平成17年7月21日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群(1)「溶血性尿毒症候群」


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon 溶血性尿毒症症候群記載のある医薬品

 今日は医薬品添付文書の副作用に記載されております症候群の続きでございますが、「スズケンDIアワー」で取り上げられなかったものについて順次お話してまいっております。
 本日は溶血性尿毒症症候群というものでございます。

(資料2:「溶血性尿毒症症候群記載のある14医薬品」)

 溶血性の尿毒症症候群の記載のある医薬品は14医薬品ございまして、半分はインターフェロンの関連の物質ですけれども、その他に塩酸キニーネでありますとか、あるいは抗腫瘍薬のいくつかの種類、またこの中には血栓性の血小板減少症(TTP)が並列、あるいは別の場所に書かれているものもございまして、これについても話をしたいと思っております。

(資料3:「腎臓の機能と作用」)

 今日の病変がどこにあるかということでございますけれども、簡単に申し上げますと腎の細動脈その続きであります糸球体の血管における病変ということになります。そこで、医薬品による溶血性の尿毒症性の症候群(hemolytic uremic syndrome)、HUSと略されていることが多い疾患でございます。

icon HUSの病態

 主な徴候は三つございまして、溶血性の貧血がある、血小板の減少がある、それから急性の腎不全になるというものでございます。

(資料4:「医薬品による溶血性尿毒症性症候群」)

 その病態を一言で申しますと、先程申しました腎の糸球体の内皮細胞が腫大して、動脈壁に浮腫が起こり、血栓が形成され、腎臓の機能が低下してくる、というものでございます。一言で申しますと、血管内の凝固異常に伴う微小血管・内皮細胞性、その病変により、溶血が起こるということです。この医薬品は先程申した通りでございまして、その他にこの医薬品によらない疾患がございますので、それを当然、除外しての前提ですが、膠原病とか、あるいは女性ホルモン産生腫瘍、あるいは妊娠時、そういう時にもこの症候群の記載がございます。その他に原因が今までわからなかった、多少この点も後で新しい研究として申し上げますけれども、大腸菌の感染症の場合にもこれが報告されており、最近日本でもある施設で十何名の大腸菌感染をもとにしたHUSが報告されております。

(資料5:「医薬品によるHUS理解のために」)

 それからTTP(Thrombotic Thrombocytopenic purpura)という血栓性の血小板減少性の紫斑ですけれども、これは必ず合併するのか全く別のものであるかというようなことにつきましても、最近色々な研究がございますので、後程少し触れたいと思います。そしてその背後にある病態を理解するということですけれども、結局は血管の内皮細胞が障害されているということでして、そこの原因としましては、新しい研究によりいくつもわかってきておりますし、色々な測定値も重要になってきておりますので、それに触れたいと思いますが、先ほどの大腸菌が感染を起こしますと、Veroという細胞毒素を出します。それにより腎臓の血管にはその細胞毒素に対する受容体がありますので、そこで赤血球が破壊される、というようなこともわかってきております。


提供 : 株式会社スズケン

      

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