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<スズケンDIアワー> 平成17年8月4日放送内容より スズケン

第8回日本医薬品情報学会


福井大学医学部附属病院 薬剤部長
政田 幹夫

icon はじめに

 第8回日本医薬品情報学会総会・学術大会を福井大学医学部附属病院薬剤部が担当し、6月11日、12日の二日間にわたり、300名を越える参加者の下、福井で開催いたしました。医薬品適正使用のためのソフトとして必要不可欠な医薬品情報を研究する医薬品情報学の果たすべき役割は重要であります。

(資料1:「大会ポスター」)

 今回は、本年(2005年)4月から薬事法改正により施行されたGVPを我々の分野でどう理解し発展させてゆくのかを考えるために「医薬品情報とファーマコビジランス」をメインテーマとしておこなった本学術大会の内容についてお話をさせていただきます。

icon 医薬品情報とファーマコビジランス

 メインテーマである「医薬品情報とファーマコビジランス」のシンポジウムは、まず基調講演として厚生労働省医薬食品局安全対策課 平山課長より、現在厚労省としてファーマコビジランスに対してどう取り組んでいるのか、特に市販後安全対策を中心に概説がありました。

(資料2:「厚生労働省の取り組み」)

 医薬品医療機器総合機構に安全部が新設され、企業と規制当局の情報収集・データ分析体制が強化される中で、今後の安全対策の重点は、医療現場の対応能力の強化に移って来るとのコメントがありました。また、副作用は、臨床医の専門分野以外の臓器に発生することが多く、その頻度は低く、診療経験もあまりない状況で対応を余儀なくされ、さらに発生機序も不明な場合が多く、またどの患者に発生するかも予測が難しいという現状で、臨床現場での安全対策にとって三重四重の困難が存在することを指摘され、そのための具体的な取り組みとして、重篤副作用疾患総合対策事業、患者用説明文書の作成作業、妊婦と薬の情報提供・収集作業(仮称「妊婦とクスリ情報センター」)、という3つの事業が今年度から開始されることが紹介されました。医療現場の安全対策に質が向上するような情報提供のあり方と、現場の対応能力の向上がファーマコビジランスの進歩につながり、また安全対策にとって大切なことは“全員参加”の体制作りであると強調されました。

icon 医薬品データベースの構築

 次に、市販後安全対策を実りあるものとするためには、その基盤となる医薬品情報データベースの構築が必要不可欠でありますが、くすりの適正使用協議会の海老原理事長から、データベースの構築とその活用についての取り組みが紹介されました。同協議会の会員企業17社の協力で、新医薬品として承認された経口降圧剤19品目の使用成績調査と特別調査の結果を集積、データベースを構築し、統計解析システムSASを用い解析することで、ファーマコビジランスの実践が行われました。データベースの規模は12万5千症例。副作用発生頻度は4.1%で、女性の発現率が高く、また、年齢別では70歳以上の高齢者層に比べ、青・壮年層での発現が高く現れました。さらに、降圧効果が現れた群では、そうでない群よりも副作用の発現が少ない傾向にありました。投与法については単剤投与症例が最も多く50%強であり、2剤併用まで含めると85%強となりました。単剤投与に用いられる薬剤としてはカルシウム拮抗薬と利尿薬が多い事も判りました。以上のことから、作用機序は異なるものの、同じ薬効を有するような各医薬品を、個別に調査するだけでは判らない多くのデータが、データベース化による定量的な解析により得られたと評価し、海外と対等にファーマコビジランスを実践していくためには、再審査資料など、全てを有する行政が、広範な医薬品のデータベース化に取り組むことが望ましいと結論づけられました。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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