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<スズケンDIアワー> 平成17年10月13日放送内容より スズケン

急性骨髄性白血病治療薬 ゲムツズマブオゾガミシン


愛知県がんセンター 名誉総長
大野 竜三

icon がん治療最近の動向

 がんは1981年以来、日本人の死因の第一位を占めています。米英などでは死因の第一位は心臓病ですから、今やがんは日本の国民病といえます。事実、現在、日本人の半数以上が一生のうち一回はがんを罹っています。愛知県がんセンター研究所の推計によると、がんは少なくとも2020年までは増え続け、2020年頃には、なんと日本人の二人に一人はがんで死亡するそうです。
 早期診断に加え外科手術、放射線治療、薬物療法などの進歩により、愛知県がんセンターを受診されるがん患者の約6割が治るようになりましたが、全体の5年生存率は、ここ10年ほどほぼ横ばい状態にあり、なんらかの新治療法が切望されています。
 がんは遺伝子の異常により発生します。最近、この異常遺伝子が作るがんの原因分子に働く分子標的療法が開発され、慢性骨髄性白血病や急性前骨髄球性白血病において、驚異的な治療効果を示しています。さらに、肺がんや乳がんなど一般的ながんにも有効な分子標的療法も出始めています。
 患者さんから十分ながん細胞を供給していただける白血病においては、ヒト腫瘍の中でも、がん化をもたらす遺伝子異常が最もよく研究されています。そのため、白血病では、他の腫瘍に先駆けて、分子標的薬が開発され、効果を示しているのです。
 すでに市販されている急性前骨髄球性白血病の病的因子PML/RARαに作用するオールトランス型レチノイン酸により、急性前骨髄球性白血病は、今や、その80%以上が治癒できるようになりました。
 さらに、慢性骨髄性白血病のBCR/ABL分子を標的とするイマチニブは、約80%の症例でPhiladelphia染色体陽性の白血病細胞が消失する細胞遺伝学的完全寛解が得られるという驚異的な効果が得られています。
 また、B細胞悪性リンパ腫が持つCD22抗原に対するキメラ型単クローン抗体であるリツキシマブは、ここ10数年、化学療法をより強力にしたにもかかわらず、治癒率の向上が見られなかった悪性リンパ腫において、10%以上も治癒率を高めており、分子を標的とする単クローン抗体も、極めて有効であることを実証しました。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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