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<スズケンDIアワー> 平成17年11月17日放送内容より スズケン

PTD用剤-タラポルフィンナトリウム


東京医科大学 第一外科 教授
加藤 治文

icon はじめに

 1981年、がんが日本人の死亡原因の第一位になりまして、それ以来、死亡数は増加の一途を辿ってきております。政府は、その制圧を「対がん10カ年総合戦略」として1984年にその対策にのり出しました。現在、第3次が遂行されております。
 がん抑制には、第一に禁煙が不可欠でありますが、早期発見・早期治療も重要な手段であります。わが国では、肺がんが、がん死亡の中でトップを占めており、死亡率が高く、難治病と言われる所以になっております。難治病といわれる肺がんであっても早期に発見されますと治癒率は高く、決して恐怖な疾患ではありません。
 最近の医療はEBMに基づいた標準治療が推奨され、安全で良質な医療が行われるようになりつつあり、また患者側はQOLの治療を望むようになって参りました。 

icon タラポルフィンナトリウムの特徴

 本日お話させて頂きます「PDT用剤-タラポルフィンナトリウム」は、レーザーを用いた光線力学的治療(PDT)に使用される腫瘍親和性光感受性物質のことで、早期の中心型肺がんの治療に使われています。非観血的治療ですので肺を切除することなく治療できます。まさにQOLを維持でき、今日の医療の方向性にマッチした治療法と言えます。
 タラポルフィンナトリウムは、2003年10月に厚生労働省の製造承認を取得、2004年6月に保険収載され、販売が開始されました。
 タラポルフィンナトリウムは、植物クロロフィルから作られ、クロリン骨格にアスパラギン酸をアミド結合させた化合物です。アスパラギン酸を結合させたことにより腫瘍親和性が一層高くなっております。水溶性であり、タラポルフィンナトリウムの紫外可視吸収スペクトルとして吸収極大波長は、長波長側から664.5nm、609.5nm、507.3nm、411nmであります。これらの吸収波長の内で、組織吸収率が低く、最も組織透過性の良い664.5nm波長の吸収帯を励起できるレーザー光との組み合わせで治療されます。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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