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<スズケンDIアワー> 平成17年11月17日放送内容より スズケン

PTD用剤-タラポルフィンナトリウム


東京医科大学 第一外科 教授
加藤 治文

icon タラポルフィンナトリウムの薬物動態

 さて、本剤の腫瘍集積性について触れますと、マウスの実験では投与後3時間半で腫瘍集積性が最も強くなります。このことはすでに既存類似薬剤のフォトフリンと比較しますと腫瘍集積にフォトフリンが48時間から62時間を要することに反し、タラポルフィンナトリウムが如何に迅速に集積するかがわかります。したがって、タラポルフィンナトリウムではレーザー照射によるPDTが薬剤投与後4時間で可能になり臨床的なメリットはたいへん大きいと考えます。

icon タラポルフィンナトリウムと光線過敏症

 光線力学的治療(PDT)に使われますこの種の腫瘍親和性光感受性薬剤は、副作用として一般的に治療後の皮膚の日光過敏症が問題になりますので、タラポルフィンナトリウムの皮膚内蓄積状況を調べてみました。

(資料4:「Early stage lung cancer treated with PDT」)

 ラット皮膚内での薬剤濃度についてフォトフリンと比較検討をしましたところ、タラポルフィンナトリウム、フォトフリンともに同量の投与量に対し、フォトフリンの場合、皮膚中の薬剤濃度の経時的減少は遅く、2週間後でもグラム当たり1μgを越えるかなり高い濃度のフォトフリンが検出されており、一方のタラポルフィンナトリウムでは、2〜3日後にはすでにグラム当たり1μg以下の検出となっております。そして、2週間後にはほぼ完全に検出されなくなっております。このことは、タラポルフィンナトリウムの代謝が非常に速いことを示しており、治療薬による皮膚の日光過敏症の回避が大いに期待されます。実際にラットを使って皮膚の日光過敏症を検討しましたところ、フォトフリンでは2週間後でも偽太陽光線の5分照射によって皮膚の壊死が生じましたが、タラポルフィンナトリウムでは2日後には皮膚の日光過敏症は全く見られませんでした。本薬剤は、従来の類似薬剤に比べ、治療後の副作用としての日光過敏症がほとんど見られませんでした。このように副作用が著名に軽減された点、画期的な薬剤と評価できると考えます。

 

提供 : 株式会社スズケン

    

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