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<スズケンDIアワー> 平成17年11月17日放送内容より スズケン

PTD用剤-タラポルフィンナトリウム


東京医科大学 第一外科 教授
加藤 治文

icon タラポルフィンナトリウムの臨床成績

 さて、次に最も重要な臨床的効果について触れたいと思います。
 1997年10月から2000年の3月の約2年半に亘って全国の主要な10施設で早期肺癌に対するタラポルフィンナトリウムを使用したPDTの安全性と有効性を評価するための第2相臨床試験が行われました。

(資料5:「Results of PDT for early-stage lung cancer」)

 レーザー装置は、PDレーザーであります。このレーザーはダイオードレーザーでありまして664.5nmの光線を発振します。体表面1m2当たり40mgのタラポルフィンナトリウムを静脈内投与し、4時間後に照射面積1cm2当たり100ジュールのレーザー光線を照射しました。
 病巣の大きさはすべて長径2cm以下で、1cmより小さな病巣が33病巣で、1cmから2cmの大きさの病巣が10病巣ありました。
 抗腫瘍効果は、94.9%に得られ、このうち腫瘍の完全寛解率は84.6%でありました。

(資料7:「Anti-tumor effects」)

 副作用として喀痰の増量が27.5%、血痰が25%、咳そうが15%、発熱が10%、皮膚炎が5%、手掌の痒感が2.5%見られましたが、その殆どがgrade1でありました。血液・血清学的な変化といたしまして、CRPの上昇が21.6%、GPTの上昇が10%見られましたが、いずれもgrade1でありました。

(資料8:「Results of the skin photosensensivity test 」)

 さて、重要な検討課題であります皮膚の日光過敏症は、88%にまったく発現しませんでした。12%の発現症例でもタラポルフィンナトリウム投与後、2週間以降には発現しておりませんでした。

icon 肺がん治療の進歩にむけて

 このようにタラポルフィンナトリウムは、従来の光線力学的治療例に比べ皮膚の光線過敏症が極めて低く、安全性の高い薬剤と言えます。そして抗腫瘍効果としての有効性は従来の類似薬剤と同様に高く、早期中心型肺がんの治療に有効と考えます。
 光線力学的治療は、機能温存の可能な、まさに国民が望む患者さんに優しい治療であります。従来の光線力学的治療法が持っておりましたいくつかの問題点が、今回の新しいタラポルフィンナトリウムと安価で小型化されたレーザー装置の出現でかなり改善されたことになります。そして、より安全で、使いやすく、身近な治療法となり、肺がん治療に大きく貢献するものと考えます。
 しかしながら、実践医療では日本レーザー医学会のレーザー専門医の資格が要求されますので、ぜひ専門医の資格を取得され、日本光線力学学会及び日本レーザー医学会の示す光線力学的治療のガイドラインに基づいて正しい治療をされることを望みます。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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