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<スズケンDIアワー> 平成17年11月24日放送内容より スズケン

話題の新薬2005(3)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon 肺動脈性高血圧症治療薬「ボセンタン水和物」

 この番組では、新しく薬価収載された数多くの新薬の中から特に注目される品目について解説しております。今回は2005年度第3回の話題の新薬情報をご紹介致します。
 まず最初は、肺動脈性高血圧症治療薬、ボセンタン水和物であります。

(資料1:「ボセンタン水和物の構造式」)

 この薬は世界最初の経口エンドセリン受容体拮抗剤であり、エンドセリンによる血管収縮、血管透過性の亢進、肺動脈壁の肥大やリモデリング、肺線維症を抑制して、肺動脈性高血圧症の肺血行動態を改善し、身体機能を向上させます。既に欧米35カ国で承認され、わが国では、2005年の4月に承認されました。
 効能・効果は、肺動脈性の高血圧症で、WHOの機能分類ではクラスいIII、IVに限るとされています。
 用法・用量は、通常、投与開始から4週間は本薬2錠、すなわち125mgを1日2回朝夕食後に経口投与します。症状に応じて適宜に増減しますが、最大1日量は250mgまでとします。
 警告として、本薬の投与によってAST、ALTが基準値の3倍以上となったときには、用量の調節を行い、少なくとも月に一度は肝機能検査を行うこととされております。
 なお、妊婦、又は妊娠している可能性のある婦人、中等度以上の肝障害、及び本薬に過敏症の方は禁忌とされています。
 併用禁忌薬は、シクロスポリン、タクロリムス、グリベンクラミドなどであります。
 検査値異常を含む副作用は、67%に見られ、頭痛が33%、その他倦怠感、筋肉痛、肝機能異常などであります。  

icon 抗ウイルス化学療法剤「エムトリシタビン」

 次に抗ウイルス化学療法剤が2つ出ております。最初が、エムトリシタビンであります。

(資料2:「エムトリシタビンの構造式」)

 この薬は、シチジン誘導体のヌクレオシド逆転酵素阻害剤であります。In vitroで、ヒト免疫不全ウイルスに対して強い抗ウイルス作用を示し、血漿中の半減期は約10時間、活性型のエムトリシタビン5’-三リン酸の細胞内半減期は約39時間と体内で安定であるため、1日1回投与型の薬剤として開発されました。この薬はラミブジンによる治療の経験者及び未経験者に対してウイルス学的・疫学的効果が認められております。
 米国では2003年の7月に、EUでは同年の10月に承認され、我が国では2004年の10月にオーファンドラッグの指定を受け、2005年の3月に承認されました。
 効能・効果は、HIV感染症であります。
 用法・用量は、必ず他の抗HIV薬と併用することとされ、成人では1日1回1カプセルを経口投与致します。
 なお、腎機能障害のある場合には血中濃度の上昇することがありますので、腎機能の低下に応じて投与量を適宜調節します。
 副作用は52%に見られ、主なものとして、下痢、浮動性の眩暈、悪心、腹痛、不眠症、無力症などがあります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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