<スズケンDIアワー> 平成17年12月1日放送内容より |
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共立薬科大学 社会薬学講座 教授
福島 紀子
2日目は、朝からポスター発表が行われました。今年は56題のエントリーがあり、薬局、医療機関などの現場で生じる問題点をテーマにした発表や法律、制度面からの取り組み、薬剤師教育など、現場密着型の発表が多くあり、発表者と参加者との意見交換の有意義な場となりました。今回、特に、学部の4年生による発表が数題有り、社会薬学ならではの議論の場ともなりました。日本社会薬学会では、年会で優れた発表をされた方にSocial Pharmacy賞(SP賞)を授与していますが、今年度は4名の受賞となりました。
その後の特別講演では、富山大学保健管理センターのセンター長である医師の齋藤清二さんによる「患者さんの物語に学ぶ(Narrative Based Medicine)」のご講演がありました。
ナラティブとは何か、EBMとの関係など、症例を含めながらわかりやすく解説していただきました。NBMは、エビデンスを基盤とした医療(EBM)に加えて、医療者が患者の話(患者さんの物語)に耳を傾け、ともに手を携え医療という新しい物語を共同して紡ぎだしていく医療であるということ、そしてEBMの「より効果的な運用」を助けるものであることを強調されました。
特別講演に続いて、シンポジウムIIでは「患者・家族から学ぶ」を企画しました。今回は、まず、東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターの医師である寺井千尋さんにPatient Partners Program(PPP)の内容と教育効果について解説していただきました。さらに、続く講師役となる患者の喜多山美代子さんには、Patient Partnersとして医学生にどのように講義を行っていくのか、その経験をお話しいただきました。お二人のお話は、患者さんが医学教育のかけがえのないパートナーであることを実証するものでした。
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提供 : 株式会社スズケン | ||||
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