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<スズケンDIアワー> 平成17年12月15日放送内容より スズケン

輸液フィルターは有用か?


奥羽大学薬学部医療薬剤学 教授
東海林 徹

icon はじめに

 今回は、時々質問を受ける輸液フィルターの有用性についてお話します。輸液フィルターの役割としては、種々の細菌を除去するということと、異物を除去するということがあることは、ご存知かと思いますが、2002年に出されたCDCガイドラインが発端となり、すなわち「インラインフィルターのルーチン使用は、コスト、スタッフの手間および感染の可能性を増やすかもしれない」ということにより、フィルターは必要がないと、日本中で輸液フィルターの有用性に関する問題が議論されるようになりました。
 しかし、先日、元・九州大学附属病院薬剤部長の堀岡先生より、「くすりまなびと」という本をいただきましたが、先生はその本の中で、すでに25年前にフィルターは、注射剤の中の異物除去の目的で有用であることを述べておられました。ということで、今更フィルターの有用性を議論することはおかしい、ということかもしれませんが、看護師、栄養士ばかりでなく、薬剤師の先生からもこのフィルターの有用性に関する質問があるので、改めてフィルターの有用性についてお話します。

icon 衛生管理に関するガイドラインから

 フィルターの孔径で0.2μmあるいは0.22μmというのは、菌がフィルターを通過しえない孔径であり、また、この0.2μmの孔径では微小異物もほとんど通過しないということです。微小異物としては、注射剤の内容物、素材に由来するものがありますが、コアリングによるゴム片や、配合変化による沈殿物などもあります。

(資料1:「除去対象物質と孔経」)

 2002年のCDCのガイドラインに匹敵する感染防止対策のためのガイドラインが厚生省労働科学研究費補助金医薬安全総合研究事業として出され、この中の「静脈点滴注射剤などの衛生管理に関するガイドライン」の中に、「0.22μmのフィルターが、カテーテル関連血流感染の発生頻度を下げた報告はない。しかし、フィルターには細菌をトラップするだけでなく、ガラス片などの異物や配合変化によって生じる沈殿物を捕捉する効果がる」と記載されております。ということで、輸液フィルターの使用をランク1、推奨度Aと強く推奨しております。このガイドラインの作成には、私も参加しましたが、かなりディスカッションをしまして、最終的にフィルターの使用を決めた次第です。その根拠となった試験データをお話します。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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