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<スズケンDIアワー> 平成17年12月15日放送内容より スズケン

輸液フィルターは有用か?


奥羽大学薬学部医療薬剤学 教授
東海林 徹

icon 凍結乾燥製剤およびデバイスに由来する微粒子

 これからお話する結果は、私たちのデータであります。最初に凍結乾燥製剤およびデバイスに由来する微粒子というものをお話します。

(資料4:「ドイル注に含まれる微粒子数(フィルター通過前)」)

 ペニシリン系抗生物質であるドイル2g注中の微粒子を測定した結果ですが、この実験はどういうふうにしたかということですが、まずドイル注を生理食塩液500mLに溶かしました。この実験には、まず水が問題になってきます。例えば、生理食塩液バッグに由来する異物が存在しますし、あと輸液セットに由来するもの、それから注射のシリンジに由来するものがあります。実験の過程で混入する異物を、全部一応取り除いて、なるべく少なくした条件下で実験しなければなりません。通常ドイル注は生理食塩液100mLに溶解しますが、今回は500mLテルモ製の生理食塩液がその条件に合っていたので、それを実験に用いました。

 (資料6:「10mL注射シリンジに由来する微粒子数」)

 このドイル注を溶解した500mLからサンプル量として5mL採ります。その5mLの中に、微粒子がどれだけ入っているかということを見るわけですが、合計でおおよそ4000個が検出されました。これが0.2μmのフィルターを通しますと、全てが除去されます。例として、ドイル注を上げましたが、凍結乾燥品のほとんどから微小異物が検出されました。
 この実験をやっている間に、どうも注射シリンジに由来する微粒子があるようだという事に気づきました。おそらく滑りを良くするためのシリコンだと思いますが、10mLのシリンジで生理食塩液100mLボトルから、液を1回抜き取って、そのまま液中の微粒子を測定しますと、5mLから合計164個の微粒子が検出されました。
 この微粒子に関する規制は、日本薬局方にあります。が、果たしてこういう異物が体の中に入ったらどうなるのか、もう少し検討した上で、いろんな安全性を考えていかなければならないと思った次第です。

icon コアリングの発生

 さらにコアリングの発生というのも経験しております。

(資料7:「ヴィーンDに刺通したときのコア」)

 輸液ボトル10サンプルを用意し、1サンプルごとに実施にびん針をボトルに刺して、輸液全液をフィルターに流しまして、そのフィルターにトラップされたゴム片を見ました、ヴィーンDに刺通した時は1mm位のゴム片が検出されました。それから、またアミカリックの場合ですが、やはりゴム片が検出されまして、それは目に見える大きさでした。こういうことで、びん針にボトルを刺すことでコアリングの問題もあるということです。

 

提供 : 株式会社スズケン

    

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