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<スズケンDIアワー> 平成17年12月15日放送内容より スズケン

輸液フィルターは有用か?


奥羽大学薬学部医療薬剤学 教授
東海林 徹

icon 配合変化により生じた沈殿物

 次に、配合変化によって沈殿物が問題である例をお話します。塩酸ブロムへキシンは、アルカリ側にpHを移動させますと、塩が外れ、ブロムへキシンが折出してきます。それを電子顕微鏡下で見ますと2μmですから、かなり小さいものでありますが、このような粒子がたくさん出てきます。フィルターがなければ、直接体内に入っていくという恐れがあります。

(資料10:「プロセミドの結晶」)

 また、フロセミドも非常に配合変化が多い薬剤ですが、高カロリー輸液の側管から投与すると、必ずといって良いほど濁りが生じます。その濁ったものを顕微鏡下で捉えると、50μmですから、かなり大きいものが結晶化しております。フィルターを通さないと、これらの結晶も一緒に体の中に入っていきます。良いわけはないと思います。ですから、フィルターが詰まってしまったというインシデントをよく聞きますが、これは体内に入る異物を除去したということで、逆にインシデントを回避したということになルカと思います。
 以上、お話しましたように、日本のように輸液に多剤配合する場合には、異物あるいは配合変化による沈殿物の除去として、インラインフィルターは必ず必要であると思います。では、どのくらいの粒子が問題になるのかということですが、いろいろな文献を参考にしますと、どうも5μm以上のものが肺に詰まるのではないのかと言われています。従って、これ以上大きいものが問題になるかと思います。
 よくフィルターのコストが高いので、末梢ラインにまで使用すべきかどうかという質問がされますが、基本的にはCVラインも末梢ラインも同じと考えております。ただし、0.2μmの孔径までは必要ではなくて、5μm以上の粒子を除去できるものであれば良いと思います。ぜひ、コストを下げた異物除去目的のフィルターの発売をメーカーは検討して欲しいと考えております。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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