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<スズケンDIアワー> 平成18年1月19日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(13)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon αグルコシダーゼ阻害薬 セイブル錠の薬価算定

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。
 はじめは、セイブル錠です。

(資料1:「セイブル錠の薬価算定」)

 成分名はミグリトールで、三和化学研究所の製品です。ミグリトールは腸管での二糖類から単糖類への分解酵素であるαグルコシダーゼ阻害作用を有し、2型糖尿病の食後過血糖の改善を適用とします。ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、または食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限ります。効能効果、薬理作用、投与形態等が類似のボグリボースの製剤である武田薬品工業のベイスン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。なお、ベイスン錠には0.2mgと0.3mgの二つの規格が、またセイブル錠には、25mgと50mgと75mgの三つの規格があるため、汎用される規格である本剤50mg製剤とベイスン錠の0.2mg製剤の一日薬価を一致させた後、その他の規格の製剤の価格については、ベイスン錠の規格間比0.8194を用いて算定されています。

icon クラバモックス小児用ドライシロップの薬価算定と有用性加算(II)

 次は、クラバモックス小児用ドライシロップです。

(資料2:「クラバモックス小児用ドライシロップの薬価算定」)

 成分は細胞壁合成阻害作用を有する抗生物質であるアモキシシリンにβラクタマーゼ阻害作用を有するクラブラン酸カリウムを配合したもので、グラクソ・スミスクラインの製品です。ペニシリンGに対するMICが2μg/mL以下の本剤に感性の肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス及びインフルエンザ菌を適応菌種とし、中耳炎を適応症とする小児用のドライシロップです。このアモキシシリンとクラブラン酸カリウムを配合した小児用製剤としては、既に同じグラクソ・スミスクラインのオーグメンチン小児用顆粒がありますが、本品とは配合比率が異なっており、効能効果も、ブドウ球菌属、大腸菌、クレブシエラ属などを適応菌種に中耳炎のほかにも表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎などを適応症としています。しかし、薬価算定上はオーグメンチン小児用顆粒が最も類似性が高いと判断され、これを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。また、中耳炎についての治療方法の改善が示されていると判断され有用性加算(II)が適用されました。さらに、外国平均価格の約0.74倍となることから、外国平均価格調整が行われました。

icon アベロックス錠の類似薬効比較方式(II)による薬価算定

 次は、アベロックス錠です。

(資料3:「アベロックス錠の算定根拠」)

 成分名は、塩酸モキシフロキサシンで、バイエル薬品の開発です。塩酸モキシフロキサシンは、DNA合成阻害作用を有するニューキノロン系の合成抗菌薬で、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌等を適応菌種に、表在性皮膚感染症、咽頭・喉頭炎、急性気管支炎等を適応症とします。ニューキノロン系の薬剤は既に薬価基準に3つ以上収載されており、補正加算の対象にも該当しないと判断されたことから、新規性の乏しい新医薬品として類似薬効比較方式(II)で算定されました。算定ルールに従い、(1)過去10年間の類似薬の平均一日薬価、(2)過去6年間の類似薬の最低一日薬価及び(3)最も類似性の高い薬剤であるスパルフロキサシンの製剤スパラ錠の一日薬価を比較した結果、過去6年間に収載された類似薬の中でプルリフロキサシンの製剤、明治製菓のスオード錠の薬価が最も低かったことからこれを比較対照薬とすることとされました。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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