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<スズケンDIアワー> 平成18年1月19日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(13)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon シクロスポリン薬パピロックミニ点眼液の薬価算定

 次は、パピロックミニ点眼液です。成分名はシクロスポリンで参天製薬の開発です。

(資料4:「パピロックミニ点眼薬の薬価算定」)

 シクロスポリンは、主にT細胞の分化・増殖抑制による免疫抑制作用を有し、抗アレルギー剤が効果不十分な場合の春季カタルを効能効果とする点眼薬です。同様の効能効果を持つ類似薬がないため、薬価は原価計算方式により算定されました。申請者によればピーク時でも本剤の投与患者は5,000人程度と予測されています。
 以上の新医薬品は昨年11月25日の中医協総会で審議され、12月9日に薬価基準に収載されました。

icon 既収載医薬品の薬価改定

 さて、今年は薬価改定が予定されています。それに向けて、昨年(2005年)12月16日の中医協において、「平成18年度薬価制度改革の骨子」が了承されました。具体的内容は、既収載医薬品の薬価改定と新規収載医薬品の薬価改定の二つの部分からなっています。

(資料5:「平成18年度の薬価制度改革の骨子」)

 まず、既収載医薬品の薬価改定については、薬価調査により求められた市場で取り引きされる実勢価格の加重平均値に調整幅を加えたものを新しい薬価とする方式を維持するものとされました。
 前々回の改定から、後発品のある先発品については実勢価格に基づく改定に加えて、4〜6%、一律引き下げる方針が導入されていますが、今回その引き下げ幅を6〜8%と2ポイント拡大するとともに対象から除外されてきた過去に一度一律引き下げの対象となった後発品のある先発品についても、今回に限り、さらに2ポイント引き下げを行うこととされました。なお、中医協に提案された後発品を含めて同一成分・同一規格の全銘柄の市場実勢価格の加重平均値を求めこれを用いて算定する方式については、引き続き検討することとされました。
 市場が拡大したり、効能が変更したり、あるいは用法用量が変更したことに伴う薬価の再算定(引き下げ)については維持されることになりましたが、不採算の製品の場合の再算定については、安全対策上の必要性により製造方法の変更等を行ったために不採算になるものについては、緊急性があるものに限り薬価改定時にこだわらず必要な時期に引き上げを行うこととされました。
 薬価改定の頻度については、引き続き検討を行うこととされました。また、現在概ね9月の取り引きを対象に行っている薬価調査では季節等により使用量が大きく変動する医薬品については、その数量や価格が的確に把握できないことから次々回の改定に向けて薬価調査を充実することとされました。これらに関連して長期にわたる取引価格の未妥結や仮納入は、薬価調査の信頼性をそこなうおそれがあるため、平成18年度の改定後は是正を図ることとされました。
 その他、後発品については、必要な規格が全部そろっている場合にのみ収載することを原則とするとともに、安定供給を確保するよう指導すること、最低薬価が設定されていないために長期に収載されて低薬価になり供給に支障が生じている医薬品について最低薬価を設定することなどが決められました。

 

提供 : 株式会社スズケン

    

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