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<スズケンDIアワー> 平成18年1月26日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群(6) 洞不全症候群


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon はじめに

 本日は、洞不全症候群というお話をさせていただきます。医薬品添付文書副作用記載の症候群の話を続けてきており、調べましたところ64の症候群があり、最近は今日の話を含めまして8つの症候群についてお話をさせていただきました。洞不全症候群というのは一言で申しますと不整脈ですが、不整脈というのは脈が早いものも、遅いものもすべて不整脈と呼ばれているのですが、そのうちで本日お話しいたしますのは、洞結節、そこに異常があり、また心房への電波の伝導に、異常があり、洞房結節そこから心臓へ心室のほうへいく電波の異常によりまして心の拍出量が減少するものであります。

icon 洞不全症候群の定義と分類

 洞不全症候群(Sick sinus syndrome:SSS)の記載のある医薬品は、効能としましては血圧降下剤、不整脈用の治療剤、それから緑内障の眼科用剤ですが、物質としてはカルシウム拮抗薬、交感神経系の抑制薬であるβ、あるいはβ1、α、βの遮断薬です。

(資料3:「洞不全症候群Sick sinus syndrome:SSS」)

 そこで定義と分類をRubensteinに従って申し上げますが、3つの型があり、その原因は先ほど申しました洞結節および周囲の心房組織の異常によってP波(これはあとで心電図のところで少し触れますが)、すなわち心房の収縮の心電図上の波形ですが、これが徐拍あるいは欠如する。心臓はそういうP波が欠如いたしますと、心房内あるいは心室から自動発生的にペースメーカーが作動いたしまして、頻脈になったりあるいは不規則になったりという疾患です。そのなかでT型というのは洞の徐脈で持続性に毎分、心拍数が50以下になった場合です。完全に洞が停止した場合でも補充調律が起こって参りますので、徐脈になるか、あるいは逆に頻脈になる場合もあります。その徐脈と頻脈が合併した場合には、徐脈頻脈症候群という名前もついております。原因としては、いろいろな心疾患もそうですけれども、医薬品は先ほどの作用機序でも当然考えれる作用の延長でして、使用目的に合わない場合には副作用と呼ばれてしまいますので副作用ということになりますが、実際には作用機序からは十分に考えられるものでして、教科書によってはそれは洞不全症候群とは呼ばないとは書いてあるものもありますが、明らかに添付文書の中には書かれている医薬品が先ほど申したようなものです。治療につきましては、逆に副交感神経の遮断薬でありますとか、βの刺激薬、それから大部分の場合にはペースメーカーを実際には使うことが多いわけであります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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