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<スズケンDIアワー> 平成18年2月2日放送内容より スズケン

話題の新薬2005年(4)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 この番組では、新しく薬価収載された数多くの新薬の中から特に注目される品目について、解説しております。
今回は2005年度第4回の「話題の新薬」情報をご紹介致します。

icon キャッスルマン病治療薬 トシリズマブ(遺伝子組み換え型)

 まず最初はキャッスルマン病治療薬、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体、トシリズマブ(遺伝子組み換え型)についてお話しします。

(資料1:「トシリズマブの構造式」)

 この薬は世界で最初のIgG-1サブクラスのヒト化抗ヒトインターロイキン(IL)-6レセプターモノクロナール抗体で、マウスで作成された抗ヒトIL-6レセプター・モノクロナール抗体を基に、遺伝子組み換え技術によって、チャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いて作製されました。キャッスルマン病はリンパ節の腫脹を伴う非常に稀なリンパ増殖性の疾患であり、その病因はIL-6の過剰産生によると想定されており、この薬はIL-6とそのレセプターの結合を阻害するもので、IL-6の生物学的作用を抑制することを期待して開発されました。2005年の4月に承認され、同時にオーファンドラッグとして指定されました。
 効能・効果は、キャッスルマン病に伴う諸症状および検査所見の改善であります。ただし、リンパ節の摘除が適応にならない患者に限るとされております。
 用法・用量は、通常、1回8mg/kgを2週間隔で点滴静注します。尚、症状によって適宜変えますが、1週間まで投与間隔を短縮できます。
 この薬の投与によって、敗血症、肺炎等の重篤な感染症の発症の報告があります。この薬はIL-6の作用を抑制して治療効果を得る薬剤であり、本薬の投薬によって、これらの反応が抑制され、感染症の発見の遅れる恐れもありますので、一般状態に十分注意する必要があります。
 禁忌は、本薬の成分に過敏症の人であります。
 検査値異常を含む副作用は、94%に見られ、主なものは鼻咽頭炎、倦怠感、発疹、腹痛、掻痒症、好中球減少、頭痛等であります。
 特に重大な副作用としては、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状、血圧の低下、呼吸困難、意識消失、感染症、心不全等があります。

icon 細菌感染症治療薬 ドリペネム水和物

 次に、細菌感染症治療薬、ドリペネム水和物についてお話しします。

(資料2:「ドリペネム水和物の構造式」)

 この薬はカルバペネム系の抗生物質であり、ニューキノロン系やアミノグリコシド系と比べて安全性が高いとされているβ-ラクタム系の抗生物質に属しております。グラム陽性菌、グラム陰性菌及び嫌気性菌に対する幅広い抗菌スペクトルを有しておりまして、2005年の9月に薬価収載されました。
 効能・効果は、好気性のグラム陽性菌、グラム陰性菌及び嫌気性菌に幅広い抗菌スペクトラムを有しており、また、緑膿菌に対しても有効であります。
 通常、成人には1回0.25gを1日2〜3回、30〜60分かけて点滴静注します。年齢・症状に応じて適宜増減いたしますが、投与量の上限は1回量としては0.5、1日量としては1.5g迄とされております。
 本薬の成分にショックの既往のある方、また、バルプロ酸ソーダ、すなわちデパケン等を投与中の患者さんは、癲癇の発作が再発する恐れがありますので禁忌とされております。
 副作用は、4.4%に見られ、下痢、発疹など。また、検査値異常は24%に見られ、ALT、ASTの上昇の見られることがあります。
 なお重大な副作用としては、アナフィラキシー様症状、偽膜性大腸炎等があります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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