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<スズケンDIアワー> 平成18年2月9日放送内容より スズケン

統合失調症治療薬―アリピプラゾール


昭和大学精神医学 教授
上島 国利

icon アリピプラゾールへの評価

 従来の抗精神病薬は、ドパミン受容体を一方的に遮断するため、ドパミン神経の活動が活発な場合は良いのですが、活動が通常あるいはそれ以下の場合は、本来必要とする神経伝達までも遮断してしまうことがあります。その結果、手が震える、体が硬くなるなどの錐体外路症状が生じたり、乳汁分泌や無月経、性欲が低下したりするという問題が生じてくることがありました。薬の用量調節は難しく、副作用が生じないような治療を行うことは、簡単ではありませんでした。ドパミンシステムスタビライザーという特性を持つアリピプラゾールは、今までの薬とは異なり、過剰な活動は適切に抑えながらも、正常以下に抑制することが少ないため、このような副作用は生じにくいことが、海外及び国内の臨床研究で証明されています。

(資料2:「初発エピソードに対する一次選択治療の変遷」)

 冒頭でお話しましたように、アリピプラゾールは、40カ国以上で既に発売されており、多くの統合失調症などの疾病に用いられています。米国精神医学会の治療ガイドラインやエキスパートコンセンサスガイドラインでは、統合失調症の第一選択薬の1つとして位置づけられており、評価も高いようです。米国では、統合失調症の薬物療法は、新規の非定型(第二世代)の抗精神病薬を中心に使用することが推奨されています。また、患者さんの過去の副作用の出方などによって薬剤を使い分けるべきとされております。わが国の臨床でもファーストエピソードの患者さんは、新規抗精神病薬が投与される機会が非常に多くなりました。しかし、昔ながらの多剤併用による大量漫然投与が行われているという現実があります。アリピプラゾールの登場を契機に、適切な薬剤を単剤にて投与し、十分な薬効が得られ、かつ副作用の少ない使い方を考えるべき時と思います。以上です。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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