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<スズケンDIアワー> 平成17年2月23日放送内容より スズケン

「ニューキノロン系抗菌点眼剤-トシル酸トスフロキサシン」


西葛西・井上眼科病院 院長
宮永 嘉隆

icon ニューキノロン系抗菌点眼薬の比較試験結果

(資料9:「ニューキノロン抗菌点眼液の比較試験結果」)

 これは、これまでのニューキノロン系抗菌点眼液との比較試験での関係を示したものです。現在、最も有効性が高いと考えられているレボフロキサシンとの比較試験を実施し、有効率、著効率、起因菌消失率の全ての項目において同等以上であることが示され、安全性においても同等であった事が確認されています。そこで、本薬で確認された特徴を示してみますと、抗菌活性が強くまた、新生児を含む小児にも治療域が拡大してということであります。
 また、本薬はわが国で初めて抗菌点眼薬として、プラセボとの比較試験ができたことは、本薬の薬効を示す上で、きわめて重要なことでした。即ち、本薬はプラセボに比べて明らかに高い細菌学的効果に基づく臨床効果を示しましたが、特に起因菌のMICが0.78μg/mL以下の症例と、MIC0.78μg/mL以上の症例では明らかに効果に差があり、本薬の臨床的エンドポイントがこの濃度にあることが確認されました。
 本薬の細菌学的効果とMICを比較試験で実施したレボフロキサシンのものと比較しました。どちらの薬剤も0.78μg/mL以下であれば80%以上の菌消失が期待できる結果が得られています。
  プラセボとの比較試験における、臨床症状と細菌学的効果の関係では、症状の高度な改善と、細菌学的効果を組み合わせる判定をする事によって、プラセボの影響を受け難い判定が可能である事を示しています。

(資料14:「眼感染症学会臨床効果定基準表」)

 眼感染症学会で制定されている判定基準を示しましたが、プラセボとの比較試験で示された臨床症状と細菌学的効果を組み合わせた評価基準は、科学的にも妥当な評価方法である事が初めて確認されました。小児を対象として臨床試験に組み入れられた患児の年齢と体重を示しました。新生児から乳児、幼児の低年齢層に患者が多く分布していることが分かります。
 小児患者から分離された起因菌を成人を対象とした試験のものと比較してみますと、小児、特に8歳まではブドウ球菌、連鎖球菌、インフルエンザ菌が多く、新生児ではブドウ球菌と連鎖球菌が分離されています。一方、成人で多かったコリネ菌、アクネ菌は、小児では殆どなく、逆に成人では小児で多かった連鎖球菌が少なく、インフルエンザ菌などは小児特有のものであることが分かります。このことは、成人と小児では病態も異なり、使用される抗菌薬もこれに合わせて選択すべきである事を示しています。

(資料16:「成人・小児・新生児の起因菌検出状況」)

 小児臨床試験での起因菌別臨床効果を示しました。全体での有効率は、98.1%と高く、著効率も66%でした。また、単独菌が分離された症例は全て有効以上の良好な臨床効果が確認され、副作用は1例もありませんでした。
 小児を対象として臨床試験での結膜炎に対する著効率を成人と比較してみました。小児での著効率が高く、このことから小児では成人に比べて早く治る事が示されています。
 細菌学的効果で見ますと、小児では著効の目安となる4日目の菌消失率が90%を越え、成人に比べて菌が早く消失した事がわかります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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