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<スズケンDIアワー> 平成18年3月9日放送内容より スズケン

低ゴナドトロピン性精巣機能低下症に対する


帝京大学泌尿器科 助教授
岡田 弘

icon フォリトロピンアルファとプロファーマシー併用療法の特徴と問題点

 フォリトロピンアルファとプロファシーの併用療法の特徴は、自己注射が可能となった点にあります。すなわち、従来のhCG-hMG治療薬は、筋肉注射のみの適応であったため、医療機関で1週間に2〜3回注射を受ける必要がありました。このため、患者の負担は重く、治療の継続が困難な場合も多く見られました。今回承認されたフォリトロピンアルファとプロファシーの併用療法は、皮下注射でしかも自己注射が認められています。この治療薬により患者の治療コンプライアンスは上昇すると考えられます。次の特徴は、副作用が少ないことにあります。全治療経過を通じて、1例に脱毛を生じたのみで、大きな副作用は認められませんでした。また、注射部位の皮膚にも大きな変化を認めませんでした。今後、低ゴナドトロピン性精巣機能低下患者の標準治療は、フォリトロピンアルファとプロファシーの併用自己皮下注射療法になると考えられます。次に、実際にこの治療法を行っていく上で、問題となる点を考えてみますと、臨床試験ではそれぞれの薬剤の投与量は、フォリトロピンアルファ150IUから225IU、プロファシー5000IUが1回に用いられましたが、至適用量は十分には解明されていません。小児例では、どの時期に治療を開始すればよいのか、すなわち思春期以前にフォリトロピンとプロファシーの併用療法を開始するのか、まずテストステロンの補充療法を行い、思春期年齢でフォリトロピンアルファとプロファシーの併用療法を開始するのがよいのか、現時点では結論が出ていません。
 さらに、低ゴナドトロピン性精巣機能低下症患者に、いつまでフォリトロピンアルファとプロファシーの併用療法を継続すればよいのか。言い換えれば、いつテストステロン補充療法に転換すればよいのかが明らかではありません。
 これらの問題は、今後、低ゴナドトロピン性精巣機能低下症患者に対するフォリトロピンとプロファシーの併用療法が広く行われるようになり、症例の蓄積とともに解決していく問題であると考えられます。本日は、比較的まれな疾患の低ゴナドトロピン性精巣機能低下症患者に対する新しい治療薬であります、フォリトロピンアルファとプロファシーの併用自己注射療法についてお話いたしました。皆様の今後の臨床のお役に立てれば幸いです。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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