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<スズケンDIアワー> 平成18年3月16日放送内容より スズケン

切迫早産用硫酸マグネシウム製剤


日本大学産婦人科 講師
正岡 直樹

icon 切迫早産と硫酸マグネシウム製剤の投与

 硫酸マグネシウム製剤は、昭和21年に発売されて以来50年以上にわたり、子癇の治療薬として産科領域で使用されてきた歴史ある薬剤です。
 硫酸マグネシウム製剤は現在も世界各国で使用されていますが、特に妊婦の血圧を重視する米国では、妊娠高血圧腎症や子癇の治療薬として、さらには従来より早産防止薬としても第一選択薬剤として繁用されてきています。
 わが国において、硫酸マグネシウム製剤を切迫早産に使用した経験が報告されるようになったのは、1980年代中頃からと思われます。
 わが国では、切迫早産治療薬として塩酸リトドリンが1986年に承認され、それ以来、切迫早産の予防や治療に塩酸リトドリンが使用されてきましたが、塩酸リトドリンには脱感作(効果が次第に減弱する現象)などもあり、塩酸リトドリンだけでは子宮収縮を抑制できない患者が少なくありません。また、β刺激剤である塩酸リトドリンは心臓に対する作用が強く、副作用で投与中止せざるを得ない症例や、重篤な高血圧症、心疾患、糖尿病等の合併症を有する患者には投与できない場合もあり、塩酸リトドリンに代わる薬剤が求められていました。
 このような環境下で、塩酸リトドリンとは作用機序の異なる硫酸マグネシウム製剤が切迫早産に適応外使用されるようになってきましたが、切迫早産に使用される頻度が増すにつれて、医療機関において保険診療が認められない事が問題となり、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会から1999年12月17日付で厚生省に対し、硫酸マグネシウム製剤の切迫早産に対する効能追加の要望書が提出されました。
 硫酸マグネシウム製剤の切迫早産への効能追加は1994年より着手され、2000年2月に承認申請を行いました。
 その後、審査過程において、次のような問題が指摘されました。
 一つは、硫酸マグネシウム製剤マグネゾールの子癇に対する用法・用量と切迫早産に対する用法・用量が異なるため、また、利便性も考慮して大容量製剤を申請すること、さらに、最近、医療機関で類似販売名に起因する誤投与による医療事故が発生しており、販売名を変えて申請することの2点でありました。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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