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<スズケンDIアワー> 平成18年3月23日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群(7)


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の病像

 医薬品の添付文書記載副作用の症候群をお話しするシリーズの今回は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)についてお話ししたいと思います。

(資料2:「抗利尿ホルモン不適切分泌症候群」)

 SIADHが書かれている医薬品は40〜44品目もございますが、その主なものは、三環系の抗うつ薬、精神安定薬、抗悪性腫瘍薬などであります。三環系抗うつ剤ではアモキサピン、精神安定剤ではクロカプラミンなどがありますが、ここには触れずに、抗利尿ホルモン、これはバゾプレッシンという9個のアミノ酸が並んでいるペプタイドであり、下垂体後葉に溜められており、それが血中に放出されまして、水分を生体に戻すというものでございます。最初に作られますのは、下垂体の後葉よりもっと上位の視床下部の視索上核、傍室の横にある室傍核で、全体が合成され、神経内を輸送されて後葉に溜められているものです。後葉からの調節につきましては、後ほどお話いたしますが、それが血中に出てまいりますと、腎臓ニューロンのいちばん末端にある集合尿細管にバゾプレッシンの2という受容体があり、そこに結合しますと、管腔内の水を細胞内へ移動し、生体へ戻すというホルモンです。その他にバゾプレッシンの1という受容体が血管にあり、血管を収縮させる作用がござます。このバゾプレッシンの下垂体後葉からの分泌調節は、分泌を増やす方の促進を調節しているものは浸透圧の上昇で、これにつきましては後ほどお話しいたします。また、これを抑制する方は水を飲むということです。循環血液量が減少する、血圧が低下する、胸腔内の血液が減少などいたしますと、促進する方向に働きます。その他、物質としましては、促進する方はニコチンなどであり、抑制する方はエタノールなどのアルコール類です。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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