帝京大学 名誉教授
清水 直容
SIADHの病態
この促進する方の浸透圧の上昇ということについてちょっとお話ししたいと思いますが、日本語で「しんとうあつ」を漢字で見ますと、「浸」と「滲」という2つがありますが、最初に申した方の「浸透圧」の英語は、osmolality、最後はlityです。「滲透圧」の方は、最後がrityです。その大きな違いは、水1kg当たりに粒子がどれだけ溶けているかというのがosmolalityのlityの方です。英語では2つありますが、日本語でこの頃は「しんとうあつ」という時は、いずれも「浸」という字の方が用いられております。どちらにしましても血液中の水1kg当たりに粒子がどれだけあるかというものですが、いちばん粒子として多いものはナトリウムですので、陽イオンのナトリウム、それがあるということは、それと同じ粒子の数だけ陰イオンがあるわけで、主なものはクロールであります。ですから、浸透圧という時にはナトリウムのイオンの濃度に2倍をすれば、おおよその浸透圧という値になるわけです。その他にブドウ糖のモル数を18で割る、尿酸のモル数を2.3で割ったものを足すわけですが、その値は非常に小さなものです。実際に測定する時には、氷点降下度という凍らせた時の温度の測定で、浸透圧は測定できるわけです。

いずれにしても、血漿浸透圧が上昇してきますと、バゾプレッシンの血中への放出が増えるだけです。と申しますのは、簡単に申せばナトリウムの濃度が増えていけば、水を体内に戻して、それを少し薄めようとするなホルモンだからです。実際には抗利尿ホルモンが出てくる時、先ほど申したような薬物によりバゾプレッシンが増えますと、その低ナトリウムにも拘わらず、バゾプレッシンが増えているということになります。もうひとつは、肺ガン、特に小細胞ガンが多いのですが、バゾプレッシンを出している疾患が問題になるわけです。
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