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<スズケンDIアワー> 平成18年5月18日放送内容より スズケン

抗うつ薬(SSRI)?セルトラリン?


東京女子医科大学精神医学
教授 石郷岡 純

icon パロキセチンとの比較試験

 外国では、同じSSRIでありますパロキセチンとの比較試験というのが行われておりますが、パロキセチンとほぼ同等の改善効果があるという成績が得られております。この試験におけます副作用は悪心が5%、めまいが1.7%、頭痛が3.4%、異常感4.1%、感覚減退が3.3%ということで、大きな副作用、また飲み続けることが困難になるような重篤な副作用は認められませんでした。
 このようにセルトラリンはうつ病およびパニック障害に対する適用が申請されたわけでありますが、外国ではこのほかにも、強迫性障害、PTSD、月経前不快気分障害、あるいは社会不安障害などに有効ということがわかっておりますので、幅広い適用を示す薬物であるということが言えようかと思います。

icon セルトラリンの副作用について

 本薬の全体的な副作用でありますが、主にはじめの7日間に副作用の出現は集中するようであります。外国の成績などを見ましてもこれまでの三環系、例えばアミトリプチリンなどと比較して、本薬で多い副作用は性機能障害、あるいは嘔気、軟便といったものが知られております。
 三環系よりは、眠気、健忘、めまい、口渇、便秘、排尿障害、倦怠感などは少ないということが知られております。SSRIでは一般的に重篤な副作用がないということが知られておりますが、本薬でも同じような傾向がわかっております。
 また、SSRIでは消化器系の副作用が出やすいとされておりますが、セルトラリンでは下痢や軟便がやや多いという特徴があります。
 一方、パロキセチンより少ない副作用としては、疲労感とか、便秘、排尿障害、眠気、頻脈、体重増加などがありますから、全体としては比較的安全なプロファイルを持った薬物というふうに言えようかと思います。
 SSRIで最近注目されております中断症候群に関しましては、パロキセチンよりも少ないという報告が見られます。
 臨床検査値異常は日本の試験では全体で26.1%で見られましたが、重篤なものはございませんでした。

 

(「チトクロームp450阻害作用」)

 また、本薬はCYP450の阻害作用を持っております。この中では2D6に対する阻害作用がありますが、あまり強いものではなく、いろいろな薬物と併用する際にはあまり重篤な問題は発生しにくいSSRIであるということが言えようかと思います。

提供 : 株式会社スズケン

      

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