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<スズケンDIアワー> 平成18年5月25日放送内容より スズケン

「添付文書の副作用の中に見られる症候群(8)セロトニン症候群」


帝京大学
名誉教授 清水直容

icon セロトニン症候群の臨床像

 今日は、セロトニン症候群というお話をしたいと思います。1週間前のこの番組でセルトラリン(SSRI)が取り上げられております。それについては、専門の精神科の教授がお話しになりましたのでこの症候群についても触れられているとは思います。

(資料1:「セロトニン症候群)

 このセロトニン症候群については、テレンバッハという方がすでに基準を述べられており、抗鬱薬、鬱病の治療薬を使用している患者が、その薬の追加や、増量の後にこれから申し上げます10の症候群のうちの3つ以上あるものをその基準とすると述べられております。この症候というのが大事ですので、10の症候を最初に申し上げます。第1番目が、錯乱、軽い躁状態など精神状態が変化してくるもの。2番目が、興奮すること。3番目が、ミオクローヌス(不随運動)。4番目が、反射の亢進。5番目が、発汗。6番目が、悪寒。7番目が振戦。8番目が、下痢。9番目が、協調運動の障害。そして最後の10番目が、発熱であります。この10のうち3つ以上見られた場合に、このセロトニン症候群と呼ぶということです。この鬱病の治療薬30商品は8成分から成っておりますけれども、そのうちの7つには悪性症候群というのも併記されておりますので、これについても触れたいと思います。今日お話し致しますのは、このスズケンDIアワーで約6年前に風祭先生がお話しになっており、また新しい文献としては、『医学の歩み』に「新しい抗鬱薬」という特集号がございましたので、それについての勉強でございます。まず、セロトニンというのがどんなものかということですが、これはアミノ酸のトリプトファンがアミンに変わったものでして、ノルアドレナリンなどと類似の構造ですが、その5の位置に水酸基が付いておりますので、5-ハイドロキシトリプタミンというのが化学名です。この物質はモノアミンオキシダーゼという酵素により5-ハイドロキシインドール酢酸、5-HIAAに変わっていくのであります。そこで、添付文書の副作用の中にセロトニン症候群の記載のある医薬品は、先ほど申しました30製剤、8成分ございますが、名前を述べますと、クロミプラミン、イミプラミン、トラゾドン 、アミトリプチリン、フルボキサミン、タンドスピロン、ミルナシプラン、パロキセチンの8成分ですけれども、タンドスピロン以外にはすべて悪性症候群も併記されているのでございます。

提供 : 株式会社スズケン

      

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